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北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で8人が死亡した遭難事故で、パーティーが前泊
した避難小屋を出発する前に、悪天候や沢の増水、疲労の蓄積などを不安に思った複数のツアー客が
「中止した方がいい」とガイドに申し出ていたことが北海道警への取材でわかった。出発後も
「引き返した方がいい」「救助要請を」と訴えたツアー客がいたという。
道警は、ツアー客が悪天候で身の危険を感じつつ、ガイドの判断を信じた可能性があるとみており、
関係者からさらに事情を聴く方針だ。
ツアーは旅行会社アミューズトラベル(東京)の主催で、14日に旭岳温泉を出発し、2泊3日で
四十数キロを縦走するコース。予備日は設けられていなかった。遭難時は55~69歳の15人と
男性ガイド3人という構成だった。
捜査幹部によると、一行はひんぱんに風雨に打たれ、15日はヒサゴ沼避難小屋で眠ったが、16日
早朝はかなり疲れが残っている客がいたという。さらに小屋の外は激しい風雨で、当初午前5時ごろの
出発を約30分間遅らせた。
この際、複数のツアー客が、ガイドに「今日は中止した方がいいのではないか」と申し出たという。
しかし、ガイドは午後から天候は回復すると判断し、午前5時30分ごろ出発したという。
出発してしばらくすると、「体調が非常に悪い」と訴える人が出て、それを聞いた他の客が
「引き返した方がいいのではないか」「救助を求めた方がいいのではないか」とガイドに訴えたと
いうが、ツアーは続行。昼前には山頂に近い北沼付近で女性1人が低体温症で歩行困難となり、
さらに男女4人も進めなくなった。この北沼付近には客5人、ガイド2人の計7人が野営することに
なったが、このうち4人が凍死した。
アミューズトラベルの松下政市社長は19日記者会見し、16日の出発時のツアー客の体調について、
ガイドから聞き取った話として「みなさん問題ない。歩き始めるときに、体力的に今日は疲れたから
歩けないとか、そういう方はいませんでした」と話した。
▽朝日新聞
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