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(>>1の続き)
朝日新聞は14日にこの小学校に取材し、県教委に見解を求めた。これを受け、県教委が
事情を聴き、「景観上、違和感があり、一般の人がどう思うか」「教室内にいる児童にも閉塞
(へいそく)感があるのではないか」と意見を述べたところ、この小学校は市教委と相談のうえ、
17日に柵を外した。
校長は方針を変えたことについて、「外部の見方もあり、県教委の意見も参考にした。改善
するなら早い方がいいと判断した」と説明。16日午後には、特別支援学級に通う他の保護者ら
と話し合い、同意を得たという。この際、保護者からは「他の児童の教室もある2階で、一緒に
交流できる今の状態がいい」として、教室を2階のままにするよう求める意見も出た。学校側は
これらも踏まえ、強度の高い網戸など柵に代わる設備を夏休み中に新たに設けることを検討
している。
また、設備面だけでなく、児童に応じた個別の指導内容を吟味するよう県教委から指示されて
おり、これについても「すでに実施しているが、さらに綿密な指導を心がける」と話した。
県教委特別支援教育課は「命の安全を最優先したことは分かるが、配慮を欠いた部分があった。
学校の対応を注視していく」と話している。
〈荒川智・茨城大学教授(障害児教育)の話〉
学校としても難しい判断だったと思うが、他の子どもや保護者の気持ち、特別支援学級への
誤解・偏見の助長など、人権の観点からしても望ましい方法ではなかったと思う。もちろん
安全確保には細心の配慮がなされるべきだ。ただ、飛び出さないように管理するというだけでは
教育的ではない。パニックや衝動性など、ケースによっては専門機関による診断・処方が必要と
なることもあるが、何を求めて飛び出すのか、その背景を探りつつ、子どもが没頭できる楽しい
授業や友だちとの遊びなどを通して自分をコントロールできる力を育んでいくようにしたい。
また、こうした問題は一人の先生や一学校だけで抱え込むのではなく、先生同士や行政・専門機関
との人的・物的な連携も重要だ。
-おわり-