09/07/13 16:10:32 0
(>>1のつづき)
小泉改革のもと、財政再建と「小さな政府」を目指すあまり、地方や福祉の現場が疲弊し、対策が
後手にまわったこと。「100年に1度」の世界的大不況に目に見える効果的な対策を打てなかったこと。
郵政民営化の見直しをめぐって党内対立が噴出したこと。「ポスト麻生」に有力候補が現れない事実が
象徴する人材養成システムの行き詰まり…。
異説ではあるが、私は「ポスト小泉」の安倍晋三、福田康夫、麻生の3代にわたる首相が靖国神社参拝に
踏み切れなかったことを最も大きな理由として挙げたい(むろん、福田氏はまったくその気がなかったろうが)。
小泉氏は、総裁選出馬時の公約を守って中国や韓国が強く反発するのを承知の上で、在任中、
靖国参拝を続けた。むろん、国民の中にも反対派は少なからず存在したが、内政的には「ぶれない
指導者」を強く印象づけ、高支持率の基盤をつくった。
続く安倍氏は「美しい国」づくりを掲げ、首相就任前は、熱心に靖国神社を参拝していた。だが、在任時には
「政冷経熱」といわれた日中関係の改善を図ろうと参拝を自粛してしまった。「保守政治家」を自任する
麻生首相も参拝する気配はない。
その結果はどうだっただろうか。確かに日中首脳間の対話は頻繁に行われているが、東シナ海のガス田
問題も毒ギョーザ事件も解決していない。それどころか中国は、軍備増強のスピードをさらにあげている。
このため自民党支持者の一部は、「他国に遠慮して戦没者の慰霊もできない指導者」と麻生首相らを
見放している。
相次ぐ地方選での自民敗北は、経済政策の失敗だけでは説明できない。自民党が掲げる旗が
不鮮明になり、精神的な背骨を失っていると古くからの支持者が判断しているためではないか。
自民党では「麻生降ろし」の大風が吹くだろうが、国民に醜態をさらすときではない。心静かに敗北の
理由を洗い出し、党再生の大手術の準備を急ぐべきだろう。(以上)