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★なぜ自民は惨敗したのか 政治部長・乾正人
・せっかく苦労して当選された都議会議員の方々には失礼を承知で書くのだが、東京都民にとって
最も縁遠い存在の政治家が都議である。たいていの都民は、石原慎太郎知事や選挙区の衆院議員の
名前は知っているだろう。区(市)長や区(市)議も身近な存在だ。それに比べてごく一部の例外を
除いて都議の先生方の影は薄い。都議の名前をすらすら言える人はなかなかの都政通だ。
逆説的にいえば、だからこそ都議選の結果は、国政選挙の先行指標になってきた。リクルート事件や
消費税創設などで自民党に大逆風が吹いた平成元年しかり、小泉純一郎政権がスタートした直後の
13年しかり。
予想されたこととはいえ、自民の惨敗、民主の躍進という都議選の結末は、有権者の怒濤(どとう)の
ような国政への怒りの表れ以外の何ものでもあるまい。
麻生太郎首相は「地方選と国政とは直接関係ない」と言うだろう。だが、自民党公認候補の事務所を
激励にくまなくまわったご本人が最もよく分かっているように、都民は麻生政権に「ノー」の意思表示を
したのだ。この事実は厳粛に受け止めねばなるまい。次期衆院選も都議選と同じような結果になるのは
目に見えている。
では、麻生首相は都議選敗北の責任をとってやめるべきか。
私はそうは思わない。自民党の構造改革なしに、選挙目当てに自民党総裁という表紙だけを代えるの
はいかにも姑息(こそく)な手段である。
あの郵政選挙で自民党が空前の勝利を収めてからわずか4年。なぜ、かくも短期間で自民党は凋落
(ちょうらく)してしまったのか。
理由はさまざま挙げられるだろう。(>>2-10につづく)
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