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郵政民営化と並んで小泉改革のシンボルだった「病院の株式会社化」がもう頓挫し
た。
民間資金や経営ノウハウを活用するPFI方式を導入して、鳴り物入りでスタートし
た高知医療センターがひっそり、公立病院に戻ることになったのだ。残ったのは巨額の
負債と税金による尻拭いだが、PFIを担ったオリックス不動産などの企業団は儲ける
だけ儲けてトンズラする。ふざけた話だ。
高知医療センターは高知県立中央病院と高知市立市民病院が統合し、05年3月にオ
ープンした。PFI方式を導入した初の公立病院で、行政側は総額2131億円の30
年契約を、民間企業グループによるSPC(特定目的会社)と結び、施設建設や運営を
委ねた。
PFI方式は英国で始まり、日本でも90年代後半から注目されるようになった。積
極活用すべし、と旗を振ったのはオリックスの宮内義彦会長が議長を務めた「総合規制
改革会議」だ。
(中略)
行政側の「病院企業団」事務局次長の村岡晃氏は、この間の経緯をこう説明する。
「赤字は当初から覚悟していましたが、計画を上回る赤字が出た。平成20年末で運営
資金が足りなくなったのです。そのため、病院を運営する民間企業側(SPC)にもっ
と経費を削減してもらうように話し合ってきました。県知事、市長もオリックスに協力
要請をしましたが、すぐに黒字化するのは無理だということで、民間企業側が身を引く
ことになりました。そうすれば、年間5億円の運営委託費を削ることが出来るからで
す」
身を引くと言えば、聞こえはいいが、要するに「儲からないから撤退する」のだ。P
FI方式の売りは経費節減で、「薬などの材料費が安くなる」との触れ込みだったが、
大ウソだった。そのため、累積赤字が80億円に達し、昨年度末は県と市が緊急資金援
助する事態になった。
ところが、この間もオリックスらの企業側は年間5億円の運営費を取り続けた。企業
側は儲けるだけ儲けて、事業を放り出したのである。
「責任者出てこい!」と言いたくなる。
(日刊ゲンダイ2009年7月6日掲載)
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