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理化学研究所とトヨタ自動車などの共同研究チームは、脳波を使って前進や右折、
左折をコントロールできる電動車いすを開発したと発表した。29日、東京・霞が関の
文部科学省で行われたデモンストレーションでは、電極付きのヘッドギアをかぶった研究者が、
手を使わずに車いすを操作。右へ左へと障害物の間を縫うように走らせた。
理研BSI－トヨタ連携センターの山田整客員研究員らは、手や足を動かそうとすると、
対応する脳の運動野と呼ばれる部位の脳波が弱まる現象を利用。利用者が
前進しようとする時は足を、左右に曲がる時はいずれかの手を動かそうと考えるだけで、
脳波の変化を検知し、思った方向に移動できるようにした。
同様の装置はこれまでもあったが、検知した脳波の解析に数秒間必要だった。
研究チームは脳波を検知する電極を5カ所に減らし、計算量を少なくすることで
通常のノートパソコンでの解析を可能にした。さらにノイズの低減や、脳波の
特徴をとらえる技術で信頼性を高め、脳波検出から反応までの時間を約0．125秒に短縮した。
95％の確率で正しく操作できるようになるには、利用者は1日3時間の練習を1週間程度続ける必要があるという。
山田さんは「実用化のためには、習熟方法をどう簡単にするかや、電極の簡素化が必要だ」と話している。
6月29日18時57分配信 時事通信
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