09/06/20 23:25:05 0H+u9mhP0
国債が沢山殖えても全部国民が消化する限り、すこしも心配は無いのです。
国債は国家の借金、つまり国民全体の借金ですが、同時に国民が其の貸手
で ありますから、国が利子を支払つてもその金が国の外に出て行く訳でなく
国内に広く国民の懐に入っていくのです。一時「国債が激増すると国が潰れる」
といふ風に言はれたこともありましたが、当時は我国の産業が十分の発達を
遂げてゐなかった為、多額に国債を発行するやうなときは、必ず大量の外国製品
の輸入を伴ひ、国際収支の悪化や為替相場、通貨への悪影響の為我国経済の
根底がぐらつく心配があつたのです。然し現在は全く事情が違ひ、我国の産業
が著しく発達して居るばかりでなく、為替管理や各種の統制を行つて居り又必要
なお金も国内で調達することが出来るのでして、従つて相当多額の国債を発行し
ても、経済の基礎がゆらぐやうな心配は全然無いのであります。
昭和16年 大政翼賛会発行 『隣組読本 戦費と国債』より