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★結婚式で親友役やります 派遣ビジネス盛況
・6月はブライダルシーズン。結婚式は親や親類をはじめ、親しい友人や恩師、会社の上司や同僚らを
招く人生の一大イベントだ。誰を招くか新郎・新婦は悩むところだが、首都圏では最近、招待客の
「代役」を派遣するビジネスが増えている。希薄な人間関係を象徴するようだが、背景には不況や
職場の変化もあるという。
都心に近い千葉県内のイタリアンレストランで開かれた結婚式の2次会。グレーのワンピースを着た
女性(32)は、「新婦の中学時代の友人」として、約100人の招待客を前にスピーチをした。
「○○(新婦)は周りの人のことを優先して考えてしまうので、自分に悩みがある時は黙り込んでしまいます。
だんなさんは気づいてあげて、悩みを聞いてあげてくださいね」
大きな拍手がわく。だが、実は女性が新婦に会ったのはこの日が初めて。女性は、結婚式などに代理
出席者を派遣するオフィスエージェントの登録スタッフなのだ。拍手を送った出席者の中にも、10人の
スタッフが交じっていた。
女性は振り返る。「スピーチは新婦さんが考え、エージェント経由でメールでいただきました。終わった後は
他の出席者に話しかけられないよう、スタッフ同士でかたまっていました」
港区の男性会社員(37)は、20回以上も結婚式で代役を務めてきたベテランだ。依頼されるのは新郎の
友人役や会社の同僚役が大半だが、女性スタッフと一緒に夫婦を演じることも。スピーチのほか余興で
歌も披露する。「インターネットでこの仕事を知り、小遣い稼ぎに登録しました。今は、式で出る料理や
引き出物が楽しみ」と話す。
代役と気づかれないよう、細心の注意を払う。スピーチの内容はあまり掘り下げず、紹介するエピソードは
「大学時代、下宿で毎晩のように飲んでいた」といった程度にとどめる。
難しいのは職場の同僚役。本社の住所や社長の名前など一通りは覚えて行くが、部長や課長の話題と
なると、なかなかついていけない。
式が終わったあとで新郎・新婦から言葉をかけられることもあるという。「うまく盛り上げてくれて、
本当にありがとう」(抜粋)
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