09/06/07 15:44:31 0
・日本に住む外国人は07年末で215万人にまで増えた。政府は在留外国人をめぐる制度を
大きく変えようとしているが、内容には問題も少なくない。
合法な資格で3カ月を超えて滞在する外国人に対し、法務省がICチップつきの在留カードを
発行し、滞在にかかわる情報を一元管理する。ただし、在日韓国・朝鮮人らについては対象と
せず、特別永住者証明書を交付する。自治体の住民基本台帳に、新たに外国籍の人も載せる。
管理はいまより厳格になる。
これまでは市町村で手続きをし、外国人登録証を受け取っていた。新制度では、空港や地方
入国管理局で在留カードが交付され、外登証同様、常に携帯が求められる。
法務省は情報を継続的にチェックし、事由に当てはまれば、在留資格を取り消すこともあるという。
外国人の滞在状況を把握する体制は必要だ。だが、この法案は、普通に生活を送る外国人に過度の
負担を強いることにならないか。「監視されるようだ」と反発の声も当事者の間から上がっている。
届けを忘れただけで罰金をとられ、そのうえ、日本にいられなくなるかもしれない。そんな不安を
おぼえないか。永住資格がある人にまで、カード携帯を義務づける必要があるのか。
一方、住基台帳法の改正は、外国人を地域の一員としてきちんと位置づけようとするものだ。
日本人と同じように行政サービスを受けることができる。これはいい方向といえる。
ただ、いまは滞在期間を超す滞在者らにも外国人登録が認められているが、新制度では住民
基本台帳には載らず、在留カードも交付されない。
こうした不法滞在者は現在十数万人いる。政府は「厳正に対処し、帰ってもらうのが基本」という
立場だが、先に話題になったカルデロンさん一家のように、まじめに働いて地域に定着した人も
少なくない。彼らを行政から見えない存在に追いやることで、学校教育や保健サービスからこぼれ
落ちることがあってはならない。
法の施行までに、在留特別許可の基準を弾力的に運用し、正規滞在への切り替えを促進する
措置をとることはできないか。与野党は修正協議中だ。知恵を絞ってほしい。 (一部略)
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