09/06/04 08:34:23 0 BE:823010764-2BP(224)
民間専用の地方空港の開港は、これが最後だろう。建設の賛否を巡って揺れ続けた静岡空港が、
着工から10年を経て、ようやく開港する。
東京や名古屋に近く、新幹線の駅が六つもある静岡県で、採算に見合う利用者が確保できるのか。
不況による旅客減という逆風も加わって、前途に不安を抱えたままのスタートといえる。
計画を進めた静岡県には、こうした懸念を払拭(ふっしょく)する責任がある。早期の赤字脱却と
利便性の向上に知恵を絞り、生き残れる空港にしてほしい。
空港建設は、「甘い需要見通しに基づく無駄な公共事業だ」とする指摘を押し切って進められた。
用地買収は難航し、開港は当初の予定より6年も遅れた。
昨年には、県の測量ミスで滑走路周辺に航空法の制限を超す高さの立ち木があると判明し、
石川嘉延知事が辞任する事態に発展した。この影響で空港は秋まで、滑走路を
300メートル短くした暫定運用を余儀なくされる。
強引な手法が空港への不信を招き、度重なる不手際がそれを増幅させた面は否めまい。
空港の収支や利用状況を開示し、県が財政的支援を続けることに対する県民の理解を得ることが不可欠だ。
7月から就航する地元資本の航空会社も加えると、静岡空港には国内・国際あわせて
1日12~13便が就航する予定だ。だが、すべての便が満席になっても、年間の利用者は
県が採算ラインとする138万人の8割にしかならない。
福岡便では搭乗率が目標を下回った場合、県が航空会社に補償金を払う制度も導入されるが、
新幹線と競合する路線に公費保証をつけることには反対論が強い。便数増より、将来の減便も
想定した効率経営を最優先すべきだろう。
厳しい状況は他の空港でも同じだ。航空学者でつくる航空政策研究会の分析によると、
全国の主要41空港のうち、31空港の収支は赤字で、地方自治体が管理する空港で黒字は3空港だけしかない。
不況による乗客減に苦しむ国内航空会社には、不採算の新規路線を増やす余裕はない。隣接空港と
客を奪い合うだけでなく、手を組んで観光客を誘致するなどの創意工夫が、より必要になろう。
(後略)
*+*+ YOMIURI ONLINE 2009/06/04[08:32] +*+* URLリンク(www.yomiuri.co.jp)