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【シンガポール=宮野弘之】オーストラリアでインド人学生を狙った襲撃事件が相次いでいる。犯人はほとんどが10代の少年で、
「おやじ狩り」ならぬ「カレーバッシング(たたき)」と称している。メルボルンではインド人学生ら数千人が抗議の座り込みをし、
インド政府は早期解決を要求、両国の外交問題にまで発展しつつある。
襲撃事件は、メルボルンだけで過去1年で70件に上る。先週には続けて5人が襲われ1人は意識不明だ。
ある学生は、若い男数人に囲まれカネを奪われ、「インドに帰れ」とののしられたうえ、ドライバーで腹などを刺されたという。
シドニーで学生の面倒を見るインド人医師が地元紙に語ったところでは、同様の事件はシドニーでも4月だけで約20件。
しかし、学生は面倒に巻き込まれ、永住権をとれなくなるのを恐れ、ほとんど警察に届け出ない。犯人は若く、
昨年末にインド人男性を殺害し逮捕された少年2人は18歳、先週シドニーで大学生を襲ったのは12歳から16歳の少年6人だった。
同医師によると、若者の間では「レッツゴー・カレー・バッシング」というのが、インド人襲撃の合言葉になっているという。
5月31日にはメルボルンで数千人のインド人学生らが抗議デモを行った。今月1日にはインドのシン首相がラッド首相と電話で会談し、
事態の速やかな収拾を求めた。ラッド政権は2日、治安担当責任者をトップとする特別調査委員会を設置。
メルボルンが州都のビクトリア州政府は人種や宗教、性別などが犯罪の動機の場合、
より厳しい罰則を設ける方向で法改正し年内の施行を目指すという。
現在、オーストラリア国内には約9万3000人のインド人留学生がおり、そのほとんどがメルボルン、シドニーに集中している。
豪州で広がる「カレーバッシング」 対印関係に暗雲
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