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警察庁が、全国の幹線道路などに設置している「自動車ナンバー自動読み取り装置」
(Nシステム)の台数を大幅に増やす計画であることが分かった。二〇〇九年度補正予算で
六百四十台分約二百億円を確保。〇九年度本予算分も合わせ、総計は〇八年度末の
八百三十台から、約一・八倍にあたる一千四百九十八台にする方針。警察庁の担当者は
「都道府県の県境や重要施設周辺などに設置し、犯罪の摘発に必要と思われる一定の
水準にまで増強できる」としている。
Nシステムは、通過した車両のナンバーを自動的に読み取り、通過時間とともに記録し、保存。
手配車両が通過するとリアルタイムで警報したり、過去にさかのぼって通過車両を拾い出したり
することが可能で、犯罪に使われた車や盗難車の追跡に有効とされる。
昨年十一月発生の元厚生事務次官宅連続殺傷事件や一連のオウム真理教事件など、
犯人が車を利用し県境を越えた広域犯罪の捜査などで、有効活用されているとみられるが、
警察庁の担当者は「捜査の手の内を明かすことにもなるため、Nシステムの設置場所や、
システムが実際にどのように使われているかは言えない」としている。
警察庁は一九八六年から整備を進めてきたが、ここ数年の設置台数は年間五十台前後だった。
警察庁によると、同庁が設置しているNシステムとは別に、各都道府県警が置いている
Nシステム二百四十五台(〇八年度末)と渋滞時間予想などに活用され、Nシステムに似た装置の
「旅行時間計測端末」二百二十五台(〇七年度末)が、いずれも警察庁のNシステムに接続されて
いるという。
Nシステムをめぐっては、市民団体のメンバーらが、肖像権や自由に移動する権利を侵害された
として国を相手に二度にわたり訴えを起こしているが、一次訴訟は最高裁で敗訴が確定。
二次訴訟も東京高裁で訴えを退けられ、上告中だ。また、〇六年には、愛媛県警の捜査員の
私有パソコンからNシステムで集めた数十万台分の車のナンバーが流出する事案も起きている。
東京新聞 2009年5月30日 夕刊
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
※ソースに用語説明あります。