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俺がこの施設に期待すること
(1) 現在、活躍中の漫画家に美術館の展示空間に展示する機会を
与える。
井上雄彦が昨年、上野の森美術館で行った「最後のマンガ展」は
マンガ雑誌や単行本では見ることができない体験を与えることが
できた。
後世の日本人に井上雄彦というアーティストのイメージを大きく広げる
遺産を残すことに成功した歴史的な展示であった。
そういう意味ではこれを「最後のマンガ展」ではなく「最初のマンガ展」
にしなければいけないだろう。
(2) すでに評価が定まったいわゆる大御所の漫画家の展示。
年に一回はこのような企画展示を行ってほしい。
また顕彰的な常設展示、いわゆるマンガの殿堂といえるものも
あっていい。
(3) 前漫画史の再評価
現在、再評価が急がれているのは、大正から昭和にかけての
前漫画史的な部分で、たとえば、浮世絵以来の美人画の伝統
を引き継いで少女漫画の成立に大きな役割を果たした中原淳一
とか、SF的な未来図を構築して後世の漫画に大きな影響を
与えた小松崎茂など、その他名もない画家の作品や当事者が
今や灰になろうとしている。
そのような作品を収集して展示する機会を与えることも
この施設の大きな役割だと思う。
(4) マンガやアニメやメディアアートの分野での国際的で権威
ある賞の設立と受賞作品の展示
これはすでにあるが、継続してこの施設を中心に行ってほしい。