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市川市動植物園(市川市大町)が、約30頭のニホンザルの群れに
人工飼育した1匹の子ザルを戻そうと試みている。
ニホンザルはリーダーを中心とする群れ社会で、新参者が受け入れられるのは難しいとされている。
他の子ザルと遊んだり大人に交じってえさを食べるなど、群れに受け入れられつつあり、飼育係をほっとさせている。
この子ザルは、昨年6月に園で生まれた雌の「オトメ」。母ザルが育児放棄し、
飼育係が人間用のミルクを与えてきた。
ニホンザルは生まれてすぐ、本能的に母にしがみつく。母に捨てられたオトメは、
代わりにクマのぬいぐるみが与えられた。自分より大きいが、上に乗ったり、
引っ張って連れ歩くなど、常に離れずにいる。
飼育係は群れに戻す前提で、訓練を続けてきた。オトメを移動式の小さなおりに入れて
群れに顔見せし、今年1月末からサル山に放した。
ぬいぐるみを抱えるオトメに他のサルが驚き、いじめないかと心配した。
威嚇されたり、体をつかまれそうになると、オトメはぬいぐるみの下にもぐり込み、「母」に守られた。
間もなく他の子ザルたちと仲良くなり、さらにリーダーの雄「ゴロン」の庇護(ひご)も受けるようになった。
ゴロンは人間ならおじいさんに当たる29歳。他のサルがちょっかいを出すと助けてくれ、
今ではゴロンのそばで過ごすことが増えた。子育てを経験した雌の「タエ」「パスタ」(ともに26歳)にじゃれることも。
ぬいぐるみから離れて遊ぶ時間も長くなってきた。
サルに詳しい日本モンキーセンター(愛知県犬山市)の加藤章園長は
「人工飼育のサルを群れに戻すのはとても難しい。飼育員が過剰に手出しせず、
リーダーが面倒を見ていることが奏功した。貴重な成功例ではないか」と驚いている。
「すっかり群れになじんで、もう心配はないと思います」。
飼育係たちは、オトメが親離れならぬ「ぬいぐるみ離れ」する日を心待ちにしている。
ソース:毎日新聞
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画像:「おかあさん」に寄り添うニホンザルのオトメ
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