09/05/14 14:35:30 0
プーチン首相と握手し破顔大笑する麻生首相。ロシア外交の場で、このように
曇りのない笑顔を見せてよいものだろうかと、私は考える。領土問題以前に、首相は、
祖父、吉田茂が1951年に国連総会議長にあてた訴えを読んだであろうか。
シベリアに強制抑留した日本軍兵士を、旧ソ連がどれほどむごい拷問で責めたて、
どれほど多くを死なせたか。彼らの国際法違反の蛮行の決着はまだ、ついていないのである。
首相が言及した、北方領土の面積による2分案について、ロシア側の発言は冷水をかけるものだ。
昨年12月9日に、来日したロシア大統領府ナルイシキン長官は、「双方が極端な立場から離れ、
受け入れ可能な解決策を探ることが重要」と、麻生首相に述べた。
それより少し前の11月22日、メドベージェフ大統領は、ペルーでの首脳会談で
「スタンダードではないアプローチ」と語った。
「極端な立場から離れ」た、「スタンダードではない」アプローチについて、ロシア外交が専門の
青山学院大学教授の袴田茂樹氏は、「ロシア側が言う両極端とは4島論かゼロ島論を指します。
日本で語られているような4島か2島かではありません」と語る。
だが、麻生首相は、「4島か2島か」だと思い込んだのであろう。そのうえで、
それでは「話が進まない」として、面積2分論を口にしたのだ。2006年12月の
外相時代の右の発言は、無原則に譲っているにもかかわらず、当のロシア側からは、
「問題の本質を知らない人物の発言」(クナーゼ元外務次官)と突き放された。
続