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(>>1のつづき)
世界各地で児童ポルノ問題に取り組む国際NGO「児童失踪・児童虐待国際センター」
(米バージニア州)は「フィリピンでこの法律が施行されるとアジア地域で最も規制の厳しい国に
なり、喜ばしいことだ」と規制強化実現を期待している。
◇「娘との生活のため」 日本の漫画、翻訳しネット販売
日本の児童ポルノ漫画を翻訳するフィリピン人女性は胸中を悲しげに話した。「生活のためには
仕方がない」。マニラ首都圏に住む20代の女性は周囲を気にしながら、翻訳中のポルノ漫画を
見せてくれた。未成年と分かる制服を着た少女や、小学校の校庭を舞台にした絵が描き
出されていた。
女性は児童ポルノなどをネット上で販売する会社で翻訳のアルバイトとして働いている。「仕事を
失いたくない」と匿名を条件に取材に応じた。
「日本の漫画に興味がある人」という求人をネット上で見つけ、応募した。給料は、同国の公務員の
平均月収とほぼ同じ月額約1万5000ペソ(約3万円)。小学生の娘と2人暮らし。この収入だけが
生活の支えだ。
日本の漫画は定期的に、マニラ首都圏にあるこの会社にメールで届いているという。女性は
週2回、出社して漫画の画像が入ったUSBメモリーを受け取り、自宅のパソコンで日本語の
せりふ部分を英語に翻訳する。日本語はほとんど話せないが、ネットの辞書機能を使っている。
同社の事務所では10人ほどがパソコンの画面でフィリピンや世界各国のポルノビデオや
アニメの編集や翻訳をしている。編集した映像や、女性が翻訳した漫画は、ネット上で世界中に
販売されているという。欧米など世界中に顧客がいる。事務所は24時間稼働。
「初めてこのような漫画を見たときには、あまりのひどさに頭が混乱した」という。自宅で作業中の
パソコンの画面を娘が見たこともある。それ以降、二度とパソコンには近寄らないように
言いつけている。今は何も感覚がなく、淡々と訳すだけだという。
「子供を扱ったものは規制すべきだと思う。こんな仕事をしていて罪の意識はあるけど…」。
彼女は力なく話した。(以上、抜粋)