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洲本市の農家で生まれたスーパー種牛「丸宮土井（まる・みや・どい）」に、
県内の畜産農家からの種付け希望が殺到している。優れた肉質の牛を
産み出す能力が過去最高として、県が県立農林水産技術総合センター
（加西市）で管理する種牛の１頭に今年から加わった。凍結精液の
供給ではこれまで、ルーキーとしては異例の４千件を超える注文が寄せられた。
丸宮土井は香美町生まれのスーパー種牛と、淡路市生まれのスーパー
雌牛から誕生した６歳の雄で、去年まで朝来市の北部農業技術センターで
飼われていた。優れた種牛の開発に取り組む県立農林水産技術総合
センターが０８年度、丸宮土井を父に持つ子牛の肉質を調べたところ、
霜降り度が過去最高だったほか、皮下脂肪やバラ肉の厚さ、肉の取れ
具合など、六つの調査項目すべてで最高ランクだったという。
県では、但馬牛の血統を守るため、他県産の牛との交雑を避け、繁殖専用の
基幹種雄牛を１２頭飼育しており、凍結精液を県内の繁殖農家に供給している。
一方、新たな種牛候補も産肉能力が毎年調査され、成績に応じて随時、基幹
種雄牛の入れ替えが行われている。昨夏も、当時としては子牛の霜降り度が
歴代最高とされた「丸福土井」が誕生、最年長の種牛を押しのけて基幹種雄牛に
加えられた。
今年２月、県と農協などが基幹種雄牛の精液の配分について話し合う「精液
配布調整会議」では、丸宮土井への種付けの希望が４１００件集まった。
一番人気の種牛で４８００件、ほかは平均１千～２千件だったことから、
同センターの担当者は「デビューしたばかりの種牛としては破格の人気」と話す。
長引く不況で、高級食材とされる和牛市場の相場は低迷が続いているだけに、
「丸福土井」「丸宮土井」と相次ぐ「スーパー種牛」の誕生に和牛の生産界も
沸いている。畜産農家は「丸宮土井の子牛なら確実に高値が付くはず。
神戸ビーフのブランド力強化にもってこい」と大きな期待を寄せている。
URLﾘﾝｸ(mytown.asahi.com)
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