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>>924
メディカルレビュー社 インフルエンザ 2008.4 Vol.9 No.2
DISCUSSION 再びH5N1ウイルスの流行に備えて
<<出席者>>
・柏木 征三郎 先生 独立行政法人国立病院機構 九州医療センター名誉所長
・河岡義裕 先生 東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野教授 東京大学医科学研究所 感染症国際研究センターセンター長
・管谷憲夫 先生 神奈川県警友会けいゆう病院小児科部長
河岡:ただ、スペインかぜではなぜ10代、20代の人たちが高い感受性を示したかということは、いまだにわかりません。
柏木:しかし、先生方のデータをみるといわゆる自然免疫が過剰に反応したことが原因ではないかと思っていたのですが・・・。
河岡:われわれの報告の仕方が悪かったというか、誤解だと思うのですが、
スペインかぜのウイルスが感染したときに実際にはどういうことがおこっているかというと、
普通のウイルスが感染したときと比較して、インターフェロンの産生が少ないのです。
インターフェロンの産生が少ないとウイルスが増えます。
ウイルスが増えるから、ほかのサイトカインやケモカインがたくさん出るわけです。
インフルエンザウイルスの場合は、ウイルスのいないところにサイトカインとケモカインは出ていないのです。
いわゆるサイトカインストームというほどの量は出ていなくて、ウイルスが増えているから出ている量だと思います。
ですから、免疫抑制をしても個体は死ぬのです。なぜなら、ウイルスが増え続けているからです。
ポイントは、なぜスペインかぜウイルスは感染初期にインターフェロンが出ないようにしているかということです。
菅谷:では、サイトカインストームではないわけですね。
河岡:サイトカインストームではありません。