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「安いし、はやいしいつも使っている。技術力も問題ない」
4月下旬、都内の上場企業に勤める営業マンの石田光弘さん(38才・仮名)は昼休みを
利用してわずか10分間でヘアカット専門店から出てきた。料金はたったの1000円だという。
最近、カットが1000円のヘアカット専門店が急増している。業界大手のキュービーハウスは
「10分1000円」をうたい文句に事業を急拡大。1997年にわずか4店舗だったお店は、10年
ちょっとで全国390店舗強まで増加した。今ではシンガポールや香港など海外進出もはたしている。
前出の石田さんは2~3年前までカットが4000~5000円する美容院に通っていた。「妻子持ち
の自分は床屋代も毎月の小遣いから。1000円カットには以前から興味があったけど、安す
ぎて不安だった」。営業という職業柄、身だしなみには気をつかっている。もしお客さんから
笑われるようなヘアスタイルになったら仕事にも差し障る。そうした心配がネックとなり
1000円カットを利用することはなかった。「でも同僚が平日に1000円カットの専門店に通って
いることを知り自分も通うことにした。変な髪形になったことはない」と笑いながら話す。
都内で美容院を経営する業界関係者は1000円のヘアカット専門店をこう評価する。「客単価
は一般の美容院の方が高いが、1000円カットの方がカット時間が短いし、洗髪やひげ剃りを
しないのでコストが節約でき、利益が出やすい」。つまり採算性が高いのだ。またその技術力
についても「もちろん個人差はあるが、カット技術は経験で差が出る。1000円カット店はひとり
のスタッフが担当する客の数が圧倒的に多いので、技術も短期間で向上していく」と分析する。
最近では女性客の来店も珍しくはなくなってきているが、それでもまだ少数だ。今後は若い
男女などを対象にした1000円カット専門店が出てくれば、業界全体もさらなる成長を期待できそうだ。
(抜粋)
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