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(>>1のつづき)
「ソフトが売れないのは、増えた作品がどれも、美少女やメカといった売れそうな要素を並べただけで
似たり寄ったりだとファンが気づいたから」と、別のプロデューサーは話す。
「ハイビジョン録画機が普及してきたし、不況で若者の可処分所得も減り、ソフトは厳しい選別にさらされる。
それに耐える力のある作品を作るしかない」
■海外も伸び悩み
人口減で縮小する国内に代わって期待される海外市場も、伸び悩んでいる。代表が米国だ。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の推計によると、米国での日本アニメの市場規模(キャラクター市場を
含む)は、03年の48億ドルをピークに07年には28億ドルまで減少した。DVD・VHSの売り上げも
02年をピークに下降基調だ。
DVD不振はネットでの違法配信が一因。日本で放映された数時間後には、ファンが字幕をつけ
配信してしまう。
そこでテレビ東京は今年1月、米国の動画サイトで人気アニメの即日配信を始めた。キー局では
初の試みだ。現在9番組を、日本での放映から約30分後に有料会員向けに字幕付きで配信、
7日後には広告付きで無料配信している。同サイトでは今春、フジテレビ作品も配信を始めた。
テレビ東京の川崎由紀夫アニメ事業部長は「違法配信を抑制し、待たずに見たいというファンの
ニーズに応えた。いずれはサイトを通じて関連商品も買えるようにし、世界のファンから直接お金が
入るビジネスモデルを確立したい」と話す。開始3カ月で、約1万8千人の有料会員を獲得したという。
■量より質重視へ
石油ショック不況時には、「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「機動戦士ガンダム」などがアニメ
ブームを巻き起こした。この頃の年間作品数は100本以下。90年代のバブル不況には「エヴァ」や
深夜アニメの隆盛があった。この頃は150本前後だった。
年齢層を広げ市場を開拓して成長を続けてきたアニメだが、「もうそんな余白はない」と山口専務理事。
「年間総制作分数で、日本はすでに中国に抜かれたはず。これからは量より質を重視し、国公立大で
アニメをじっくり教えるなど、官民が力を合わせて質の高い人材を育て、それを日本の強みとする道を
考えるべき」(以上、一部略)