09/05/04 12:22:32 8ZqaYKRV0
筆者の個人的な意見を言えば、国民に大量に投与されることになるかも知れないタミフルについて
きちんと報道が行われ、危険性について周知を行うことはよいことだと思います。
しかし、関連があるかどうか判明していない段階で死亡例のみを大きく取り上げ、
必要以上に「タミフルは危険な薬剤」という印象を与えるような報道は問題だと感じます。
タミフルに限らず、副作用のない薬というものは存在しません。どんな薬にも体に対するメリットとデメリットが
必ずあり、その使用は両者のバランスを慎重に計って行われるべきものです。メリットの方が十分に大きいと
判断された患者にのみ投与を行い、デメリットを最小限に減らす努力をするというのが本来の薬との
付き合い方でしょう。
これは車に乗る場合に置き換えて考えるとわかりやすいと思います。自動車は便利な乗り物ですが、
一方で交通事故の危険も常につきまといます。それでも皆が車に乗るのは、事故のリスクをみながよく知った上で、
利便性の方がはるかに大きいと判断しているからでしょう。そして事故のリスクを最小限に減らすため
道路や信号が整備され、運転手には教習所での訓練が義務づけられているわけです。
これは医薬においても同じことです。
現段階での情報を見れば、これまで数百万の人に投与して十数例の「関連があるかもしれない」ケースが
報告されているだけであり、タミフルを使用するメリットの方がはるかに上回ると見てよいのではないでしょうか。
その上でリスクをきちんと分析し、患者の体質・症状などに応じてベストな投薬の仕方を徹底していく、
というのがタミフルの、また全ての薬剤の正しい使い方だと考えます。「インフルエンザは寝ていれば治るのだから、
タミフルなど必要ない」といった論調もありますが、並みのインフルエンザと鳥インフルエンザは恐ろしさが
全く別物の病気だということはもっときちんと報道されるべきでしょう。
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