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【カイロ=加藤賢治】エジプト国営テレビによると、同国政府は29日、新型インフルエンザの
感染を防ぐため、国内で飼育されているすべての豚を即時処分することを決めた。
推定頭数は30万~40万頭。新型インフルエンザの国内感染例は報告されていないが、予防的
措置を講じた形だ。
エジプトの国教であるイスラム教は豚肉を食べることを禁じているが、国内ではキリスト教一派
のコプト教徒らが豚を飼育、特定の店で豚肉も販売されている。
複数の地元メディアによると、農業・土地開拓省は豚の所有者への補償金として総額5億ポンド
(約85億円)の支払いを検討。すでに県知事の指示で処分が始まった地域もあるという。
同国人民議会(国会)は28日、豚の即時処分を政府に要求。イスラム原理主義系の議員は本紙
に、「宗教上の理由で豚の飼育に反対しているわけでない」とした上で、「エジプトには設備が
整った養豚場がない。住宅街に近い、不衛生な環境で豚が飼育されており、危険だ」と説明した。
(2009年4月29日22時43分 読売新聞)
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