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昨年七月の「第五十五回 NHK杯全国高校放送コンテスト」で、神戸地区予選一位に
なった兵庫県立伊川谷北高校(神戸市西区)放送部の作品が、県大会の直前「主催者に批判的」
との理由で、急きょ「失格」になっていたことが分かった。関係者は「生徒の問題提起を踏み
にじる行為」と反発している。
失格になったのは、ラジオドキュメント部門に出品した「アンサー」。同校放送部は一昨年
の五十四回大会で、助産師の奮闘を取材した「7000の産声」というテレビドキュメント作品
で県大会を勝ち抜き、全国大会準々決勝で敗退した。
しかし、他校の減点を同校に付けるミスが判明。同校は「正当な審査を受けたい。来年も同じ
作品で参加を」と訴えた。コンテスト運営委(東京都)はミスを認め、準決勝進出の表彰状を
贈ったが、「未公表作品が原則」と再審査を却下した。
疑問を感じた同校放送部の生徒たちは「問題提起のきっかけに」と、東京の運営委などに取材。
さらに県内の高校生や放送部顧問ら約五十人にインタビューし「再審査するのが公平」「運営委の
事情も分かる」など、賛否両方の意見を取り上げ、八分の作品アンサーが完成した。
アンサーは、昨年の同コンテスト神戸地区予選で一位になり、県大会に進出。だが、その後、
兵庫県内高校の放送部顧問教諭らでつくり、地区予選を審査する「県高校視聴覚部会」が
緊急理事会で失格を決めた上、県大会進出の取り下げを求めた。同校には「今後の運営に問題が
出かねない」「(ミスは)解決済みの問題」と伝えたという。
神戸新聞社の取材に対し、翌年のコンテストで同部会が再審査を働きかけた経緯などを踏まえ
「周囲の努力を理解していない」と判断したという。規定では作品に誹謗(ひぼう)中傷や
差別的意図を含む場合に失格にするが、別の判断という。
(>>2以降に続く)
▽神戸新聞
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