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>>608のつづき
ゲームだから厳密なルールが定められており、しかもそのルールを作成している元締めは恋愛する当事者
ではなくマスメディア、というわけである。メディアが規定したルールに沿った恋愛というゲームを、生身の人間
たちが演じさせてくれているのだ。恋愛資本主義システムが問題になっているのはなぜなのだろうか?
まず、このシステムが多額の消費を要求するという点にある。恋愛資本主義システムは、金が潤沢にあり余って
いた80年代のバブル期であれば効率よく循環するシステムだが、可処分所得が減少の一途をたどっている時代
には、ふさわしくない。先ほど紹介したように、東京圏(東京だけではないが)の独身女性は恋愛対象・結婚対象
である独身男性に対して不当に高い収入を期待しすぎている。一定以上の消費能力がない男性は、恋愛資本主義
のピラミッドから排除されてしまうのだ。また「消費すべき趣味」が非常に限定されている。恋愛資本主義において
消費すべき趣味とは、ファッションや自動車、ブランド商品などだ。これらもすべてバブル時代に華やかなりし
産業であり、デフレ時代の趣味としてはふさわしくない。例えば恋愛資本主義バブルの象徴であった苗場の
スキー産業は90年代から衰退の一途を辿っており、回復の気配が見えないままになっている。80年代に
フェミニズムと空前のバブル景気がたまたま同時に勃興したため、フェミニズムがもたらした女性の
経済的・精神的自立の流れと、バブルに後押しされたあくなき消費活動への欲求とが不幸にも結びついてしまった
のが、「恋愛資本主義」システムの肥大化の元仁なのではないだろうか。フェミニズムは歴史的な必然で登場した
思想だったが、それがたまたまバブル経済と結びついた時に現代の負け犬問題・非婚化問題の種が
撒かれてしまっていたのだと思う。