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【詳報】産経適塾「春風講座」 日下公人氏
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国がない人に一度なってみれば 日下公人(くさか・きみんど)日本財団特別顧問
政治学原論では、領土と国民を守り主権を持っているのが国家である。したがって日本国家の任務は
主権を使って領土と国民と経済を守ることだが、今はどの新聞も、金をばらまけば景気がよくなると言っている。
それでよくなったとしても、酒を飲んで顔色がよくなるだけのこと。根本的な「働かない」という
問題が解決していないのだから、景気低迷は長引く。今、楽をすれば将来が暗くなるのは当たり前。
国は「みんな働け」と言わなければならないのに。
防衛に関して日本の国・国民は何かやっているか。田母神俊雄・元航空幕僚長は今、講演でひっぱりだこだが、
防衛省の増田好平事務次官は田母神さんを辞めさせようと悪知恵を使った。村山談話に反する論文を
書いたといっても内規違反で、せいぜい厳重注意相当でしかない。それを退職にしたのはどうかと思う。
背広組は本来やるべき仕事をしていない。ソマリア沖へ海上自衛隊を出せるような準備を日ごろから
考えるために背広組がいるはずで、中国が海軍を出すから日本も、となったのは後手である。
おかげで護衛艦のやりくりで日本列島周辺はガラ空きになりかけている。
今回、日本は「中国と共同で海賊に対処する」といっているが「共同」でやることはいいことなのか。
そう思うのは日本だけで、世界の常識では仮想敵国と一緒にやろうなどと軽々しく言うものではない。
いざとなれば軍事力が後ろに控えているからこそ商売も旅行もできる。阪急グループをつくった
小林一三も随筆の中で「日本に連合艦隊があるから米国で商売ができる」と書いている。
ところが神戸市ではかつて社会党の勢力が強かったころ、市議会の決議で世界中の軍艦を神戸港に入れないことにしてしまった。
それで外国の会社も領事館もみんな神戸から逃げ出した。
>>2以降に続く