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政府は使用されなくなった携帯電話を回収して、金やプラチナなど希少金属を取り出す
仕組み作りに着手する。携帯電話には金やプラチナ、パラジウムといった高価な希少金属
が含まれていることから「都市鉱山」として注目を集めているが、回収される携帯電話の
台数は減少傾向が続いている。このため、リサイクルを義務付ける商品に携帯電話を指定
して、携帯電話事業者やメーカーに自主回収を促す方針だ。
政府の試算では、1億台の携帯電話を回収すれば、約3.2トンの金を取り出せるという。
携帯電話で使われるプラチナなどの希少金属は各種電子部品などにも必要な材料だが、世界の
特定の地域でしか産出しないため価格が高騰しやすい。ハイテク製品を大量に生産する日本に
とって、リサイクルは不可欠だ。
しかし、電気通信事業者協会などによると、古い携帯電話の回収は00年度の約1361万台
をピークに減少し、07年度は約644万台と年間販売台数(約5200万台)の1割強に
とどまっている。携帯電話事業者は自主的に店舗などに回収箱を設置しているが、メールや写真
の保管などを理由に買い替えた後も手元に置いておく利用者が多く、「家庭に2億台が眠って
いるとの試算もある」(経済産業省)という。
政府は今年度にも審議会を設置し、既にパソコンや小型充電池が指定されている資源有効利用
促進法の指定再資源化製品に、携帯電話を新たに追加する検討に入る。指定後は事業者側に
回収箱の設置など、回収を促進してリサイクルに回すルート作りが義務付けられる。利用者が
提供を強制されることはない。
政府は今年度、買い替え時に古い携帯電話を持ち込むと、購入代金を割り引くなどの特典を
設ける仕組みを始める方針。
本格的な回収体制の構築前に、利用者のリサイクル意識を高める計画だ。
▽毎日新聞
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