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在日韓国人のピアニスト、崔善愛(チェソンエ)さん(49)が、人権派の牧師として活動した父昌華(チャンホァ)さん
(故人)との葛藤(かっとう)や音楽への思いを著書「父とショパン」(影書房)にまとめた。平安北道出身の昌華さん
は朝鮮戦争の混乱を逃れ単身で軍事境界線を越え、1954年、24歳で日本に入国。北九州市・小倉を拠点に
在日の権利回復運動に身を投じた。善愛さんも父の傍らで指紋押なつを拒否し、最高裁まで争った。
「日本人に同化するなと言われても私は祖国を知らない。生きること自体が罪のように思えた」と振り返る。やがて
ショパンをはじめ弾圧から逃れ祖国を離れた音楽家の心を探るうちに「父の苦悩や悲しみも理解し、愛せるように
なった」。
父が逝って14年。東京で開かれた出版記念のパーティーには約100人が出席。評論家の鄭敬謨(チョンギョンモ)
さん(84)や牧師の徳永五郎さん(78)らの前でショパンのノクターンなどを演奏した。差別との闘いと音楽と。
二つのことが自分のなかでつながった。
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