09/04/11 17:04:34 uP9T/Wk/0
朝、観戦記担当の東公平さんが、扇子に関係者の寄せ書きを集めているという話を聞いた。
東さんは名人戦をはじめ多くの観戦記や著作があり、将棋界に多くの足跡と業績を残してきた功労者。
年齢や状況を考えると、もしかしたら今回が最後の観戦記になるのではという噂もあっただけに、扇子はいい記念になるだろうなと微笑ましく思った。
僕は大先輩の東さんの過去の名人戦での著作をカバンに詰めて、この日を迎えていた。棋譜コメントの中で、過去の東さんの名フレーズを紹介できればと思ったからだ。
そういった経緯があったのだが、結果としてこういう方向に進んでしまったのは残念でならない。
東さんは久しぶりの現場復帰だったこともあり、控室ではうまく雰囲気に馴染めていなかったように感じられ、笑顔も見られなかった。
今回、東さんの笑顔を見ることができたのは、皮肉にも画面の中で羽生名人に扇子を差し出したくだりだけだった。
もちろん東さんの行為は明らかにマナー違反であり、看過されるべきではないと思う。
大山升田時代の牧歌的な雰囲気は、現代の名人戦の対局室で受け入れられるものではないのだろう。
羽生名人から扇子が返ってくると、東さんはそれを広げて嬉しそうに眺めている。将棋が好きで棋士が好き。そ
ういった気持ちは非常によくわかるので、こうしてポジティブではない方向の事件になってしまったことが、とても悲しかった。
終局後の打ち上げでは、羽生名人と東さんは隣合わせで楽しげに話をしていた。
精神的に落ち込んでいた自分にとって、その光景は涙が出そうなくらい嬉しいものだった。
良いことも良くないことも、昔も今も混ぜ合わせ、それで残っていくものが文化なのだろう。良いことだけ、悪いことだけ出来る人などいない。
誰のせい、誰が悪いではなく、志のある人が受け止めていく。自分もそうありたいと強く思った。
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おまいら、もう許してやれよ。