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琵琶湖の外来魚対策に頭を悩ませる滋賀県は今年度から、
岸辺近くの水草に隠れる稚魚を底引き網で一網打尽にする本格駆除に着手する。
これまで取り組んできた沖合での成魚の捕獲だけでは外来魚優勢は覆せないと判断、
稚魚のコロニー(集落)を重点的に狙い、繁殖を抑制していく。
駆除するのは、12センチ以下のブラックバスと7センチ以下のブルーギル。これらの稚魚は、
異常繁殖が問題になっているオオカナダモなど岸辺近くの水草を隠れ家にしている。
使用するのは、長さ約8~10メートルの小型ビームトロール網と呼ばれる海用底びき網。編み目は2~4ミリで
幅約3メートルの開口部に横棒(ビーム)を取り付けているため、水草の多い南湖でも網がねじれることなく、
草陰に潜む稚魚の捕獲が可能という。
県によると、底びき網はフナやホンモロコなど在来種を混獲してしまうことなどから、南湖では使用を禁じてきた。
しかし、すでに外来魚の占める割合が極めて高くなっており、在来種への影響は少ないとみて解禁する。
県漁連に委託して成魚が産卵を終える夏ごろから実施する予定。今年は稚魚で約10トンの駆除を目指すという。
琵琶湖ではこれまで沖合を中心に外来魚の成魚を駆除しており、昨年春の推定生息量は約1500トン。
しかし肉食の成魚が減ると、捕食されにくくなって稚魚が増えるというジレンマがあり、
昨春の調査では1ヘクタールあたりのブルーギルの稚魚が前年の倍になっていた。
稚魚は2~3年で成魚となってさらに増える恐れがあり、県では「稚魚10トンが成長すれば、
成魚30トンになるという試算もある。繁殖抑制という点で効果が見込めるのではないか」としている。
産経新聞
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