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台湾南部の台南の郊外に、終戦前年の空中戦で米軍機に撃墜された日本海軍の零戦パイロット、
杉浦茂峰少尉を祭る廟がある。「鎮安堂 飛虎将軍廟」。杉浦少尉は、集落への墜落を避けようと機体を引き起こして、
間一髪でその惨事を回避したものの、自身は機銃掃射を受けて戦死した。
勇気ある行動に感動した地元の有志が、「少尉の霊を慰めよう」と、1971年に小さなほこらを建立。
「商売は繁盛。宝くじも当たる」といった「霊験」も広まり、ほこらは崇拝の対象となった。日の丸を掲げている廟内には、
少尉の「神像」が遺族から贈られた遺影とともに祭られ、
管理担当の曹芳さん(76)によれば、毎朝5時、村人が君が代を斉唱する。
ところが、この君が代のCDが今年初め、連日の酷使に耐えきれず、不調になってしまった。
「(年間1000人を超す)日本人参拝者の訪問時にも君が代は欠かせない」から、無理もない。
これを知った台北在住の日本人駐在員、渡辺崇之氏(34)が先月、廟を訪れ、
「日本人の勇気に手を合わせる台湾の人々に感動した。日本人として感謝したい」と新品を寄贈した。
実はCDプレーヤーも寿命が近づいている。曹さんはしかし、
「杉浦少尉は命をかけ村を守った。今度はわれわれが神となった少尉を守る」と話している。(台北 長谷川周人)