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相模湾望む別荘地「良好な眺望」保護、隣人の新築差し止め命令
相模湾を見下ろす神奈川県真鶴町の別荘の所有者が、
海側に高さ約8メートルの住宅を新築しようとしている隣接地の所有者に対し、
「風光明媚(めいび)な眺望が奪われる」として、建築差し止めを求めた仮処分申し立てで、
横浜地裁小田原支部が差し止めを命じる決定をしていたことが分かった。
決定は6日付で、片田真志裁判官は「別荘からの良好な眺望は法的保護に値する」と述べた。
眺望を保護すべき利益として建築禁止を命じる司法判断は極めて珍しい。
申し立てたのは東京都内の私立大学教授(59)。決定などによると、教授は30年以上、
真鶴半島の付け根部分の斜面にある別荘を家族で利用してきたが、2006年に隣接地を購入した女性が
高さ約8・3メートル、幅40メートル以上の2階建て住宅の新築を計画した。
1階部分は主に支柱、居住スペースは2階にある構造で、昨年8月に建築確認を終えた。
教授は、設計図などをもとに眺望予想図を作成し、「計画通り住宅が完成すれば、
水平線や丘陵地の住宅街などの美しい眺めが、壁に遮られて見えなくなる」と主張。
女性側は「眺望の制限は小さく、計画変更には多大な費用がかかる」と反論していた。
決定は、眺望を気に入って別荘として使用してきた教授には、
良好な眺望を享受できる「眺望利益」があると認定。
隣人女性について、「平屋建てでも良好な眺望が得られるのに、自らの都合だけで設計を行い、
事前の交渉も避けている。工事の続行は眺望を奪い、眺望利益の侵害にあたる」と指摘し、
双方が協議して利害を調整するよう付言した。
眺望や景観を巡っては、栃木・日光で杉の伐採を伴う国道拡幅工事を巡る訴訟で、宇都宮地裁が1969年、
文化的価値を認めて事業認定を取り消した判決(2審で確定)がある。
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