09/04/10 02:30:12 0
(>>1のつづき)
皇太子さまは04年、体調を崩した雅子さまについて「人格を否定するような動きがあった」と述べた。
触れると切れそうな言葉が、雅子さまへの同情を越え、波紋を広げた。天皇陛下は「初めて聞く内容だ」と
皇太子さまに国民への詳しい説明を求め、秋篠宮さまも「残念」と述べた。宮内庁長官が記者会見で、
皇太子さまへの苦言を表明したこともあった。
皇室から聞こえ始めた不協和音。驚き、戸惑う人もいるだろう。皇室の危機だと憂慮する人も少なくない。
一方で「大衆天皇制」の帰結だと受け止める人もいるかもしれない。
だが、いつの時代にも皇室は様々な課題を背負っていたはずだ。そして時代と社会の変化に合わせて、
皇室もそのありようを変えてきたのではないだろうか。
それにしても両陛下にとって、家族の問題で国民から心配されるのはどれほどつらいことか。皇太子
ご夫妻も同じだろう。雅子さまの体調のことも含めて温かく見守りたい。
未来を見据えれば、皇位をどうつないでいくのかという難問もある。
母方だけに天皇家の血を引く女系天皇を、歴史上初めて認めるかどうか。
41年ぶりに男子皇族が誕生したとはいえ、いくつもの世代にわたっての皇位の安定を望むのであれば
心もとないともいえる。一方で、皇位継承の根幹を変えることへの反発も根強い。
女系天皇を認めることは民意と時代の流れに沿ったものであり、基本的に妥当な道だろう。ただ、皇室の
姿を大きく変えることも疑いない。伝統と時代の変化にどう折り合いをつけるのか。本格的な議論を始めたい。
皇后さまは60歳の誕生日を迎えるに当たって、「両陛下が皇室に新風を吹き込んだのでは」との記者団
からの質問に文書でこう答えている。
「きっと、どの時代にも新しい風があり、また、どの時代の新しい風も、それに先立つ時代なしには生まれ
得なかったのではないかと感じています」
「世紀のご成婚」から半世紀がたった。皇室への国民の支持は幅広い。しかし、皇室が岐路を迎えつつ
あることも事実だろう。
これからの時代にどんな皇室のかたちがふさわしいのか。新しい風の行方を見定めるのは、主権者で
ある私たちであることを改めて思う。 (抜粋)