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★<内定取り消し>静岡の造船会社、入社式前日に19人
・静岡市清水区三保の造船会社「カナサシ重工」(片上久志社長、従業員約150人)が、入社式前日の
3月31日に新卒者19人の採用の内定を取り消していたことが分かった。同社は経営悪化で今月1日
から操業を停止した。業務部は「内定を決めた時点で、ここまでの経営悪化は想定していなかった。
会社が存続できない場合、迷惑がかかる」とコメントしている。静岡労働局は取り消しの経緯に法的な
問題がなかったか調査する方針。
同社によると、採用内定を取り消したのは昨年6~9月に内定していた大学卒業者7人と高校卒業者12人。
メーンの金融機関から新規融資を断られたため、3月31日に操業停止を決めるとともに、急きょ電話で
内定取り消しを伝えた。1日には担当者が直接会って事情を説明したという。
職業安定法は、企業が年度内に10人以上の採用内定を取り消したり、内定取り消し者の就職あっせん
支援が不十分だった場合などには事業所名を公表したり、行政指導を行うと定めている。また既に
労働契約が締結され、実質的に解雇とみなせる場合は30日前の解雇予告を定める労働基準法に
違反したことになる。取り消しの経緯を調べている静岡労働局は対象者についても職業紹介などの
支援を行う方針だ。
カナサシ重工は1903年に金指造船所として大阪で創業。28年に静岡市(旧清水市)へ工場を移転し、
63年には鋼製漁船建造量で日本一となった。しかし88年に負債総額426億円を抱え事実上倒産。
99年にカナサシ重工として分社化した。09年3月期は鋼材価格高騰などの影響で23億円の赤字を
見込んでいる。
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