09/03/31 10:20:32 0
こうした対応を不愉快に感じる市民もおり、「やりすぎだ」「捨て犬が増える」との苦情が市の窓口に
寄せられることもあった。しかし、久木田所長は「命について話をしているだけで問題ない」と気に掛けなかった。
取り組みの結果、持ち込みが激減し、97年度に946匹だった殺処分数は、07年度には78匹にまで減った。
「安易に動物の命を考えないでほしかった。成果は出ている」と久木田所長は胸を張る。
やむを得ず引き取った犬の譲渡方法にも徹底してこだわっている。市は、市獣医師会、
愛護団体などでつくる協議会と協力して月に1回のペースで譲渡会を開催。譲渡を受けようという人には、
捨てられた犬がガス室で処分されるビデオを見せ、飼い主としての適否を判断するために面接を義務づけている。
譲渡後の去勢、不妊を約束させ、一生育てるとの誓約書も出させる。
「動物の幸せを考えると、簡単には譲り渡せない」と小山さんは力を込める。
福岡県が動物の引き取りに手数料を設定するなど、各地の自治体が持ち込みに歯止めをかけようと工夫している中で、
この「熊本方式」は注目を集め、自治体による視察や職員の派遣が行われるようになった。08年度から1年間、
山口県下関市から派遣されていた獣医師の斉藤由香さん(27)は「職員の動物を救おうという意識が高い。
貴重な経験を積むことができた」と話している。(おわり)