09/03/29 19:16:49 0
非行少年を少年院に送るとき、裁判官は、その必要性を少年本人に分からせるのに四苦八苦する。
刑罰だったら、これだけのことをしたのだから「懲役5年程度の罰はやむを得ない」とかいって、
一方的に宣告すればそれまでだ。
しかし、少年の場合は更生させることが目標であり、そのための方策はいろいろあるから、その中で
少年院での教育がベストだといい切ること自体がそもそもなかなか難しい。
しかも、少年たちは一様に「試験観察にしてください」と粘る。「今までの行状では反省しているといっても
無理でしょうから、3カ月ほど調査官の試験観察で経過を見てください。チャンスをください」と必死の
面持ちで泣かんばかりに懇願する。これを撃退するのが意外に厄介で、立ち往生する裁判官も多い
だろうと思う。
調査官が事前に「引導」を渡しておいてくれたら、審判は和やかに進む。少年本人が納得しておれば、
親は異存をいわないものだ。少年院でイジメられないかと心配する(親の世代では、漫画「明日のジョー」の
悪影響が強い。このような誤った内容に対してなぜ法務省が猛然と抗議しなかったのか、私には不思議で
ならない)ものの、少年の行状に手を焼いていたのは事実だから、本人が積極的に少年院で努力して
よくなりたいといってくれると、心底「ホッとする」のである。
だから裁判官も、少年院に行かせることを前提に、「少年院で直そうと思っている点は何と何ですか?」とか、
「将来の夢は何ですか?」とか、話題がすべて前向きになる。
2以降に続く
ソース
産経新聞 URLリンク(sankei.jp.msn.com)