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新潟県佐渡市で昨年9月に放鳥されたトキのうち、市内にとどまっていた唯一の雌が佐渡海峡を
越えたことが28日、確認された。
本州への飛来は4羽目でいずれも雌。これで佐渡に残るトキは雄4羽だけとなり、放鳥トキによる繁殖の
可能性は極めて低くなった。環境省は近く、専門家会合を開いて対応を協議する。
◆相手求め海渡る?
同省によると、本州へ渡ったのは、佐渡市の加茂湖周辺に定着していた雌(個体識別番号04番)で、
28日朝、約50キロ離れた新潟市西蒲区の水田で確認された。このトキは27日夕には佐渡市内で
ねぐら入りが確認されていた。
放鳥10羽のうち雌は5羽いたが、昨年12月に死んだ1羽を除く、残り4羽はすべて本州へ渡った。
このうち3羽は、3月に相次いで飛来。いずれも雄と一時期行動を共にすることもあったが、繁殖に至らなかった。
トキ保護センターの金子良則獣医師(51)は、「飼育下のトキは雌が雄を選ぶ傾向がある。相手を気に入らず、
雄を求めて海を渡ったのかも知れない」とみる。
これで佐渡には雄4羽が残るのみとなり、今春の繁殖は絶望的になった。環境省の岩浅有記自然保護官は
「04番が一夜で海を渡るなど、トキの飛行能力は高い。佐渡へ戻ることを期待したい」と話している。
◆放鳥計画見直し
環境省は、「佐渡でのトキ60羽定着」との野生復帰計画は変えておらず、佐渡以外での放鳥も予定していない。
ただ、専門家からは「佐渡から離れることを前提に、雌を多く放つことも必要ではないか」との指摘もあり、
近く開催する専門家会合で、原因究明と今後の放鳥計画について協議する。
また、同省は本州側の観察体制について、4月以降強化する方針。現在は「県野鳥愛護会」に観察を委託しているが、
委託先の団体を増やすなどして、生態調査に力を入れたい考えだ。
ソース
読売新聞 URLリンク(www.yomiuri.co.jp)