09/03/24 12:57:27 0
・民主党の小沢代表の公設第一秘書が逮捕された。容疑は、西松建設関連の政治団体から受けた政治献金に
ついて、不実記載をしていた容疑である。
これ以降、日本の政界を取り巻く環境が一変してしまった。麻生内閣の政党支持率に歯止めがかかり、
政党支持率についても自民党が民主党を逆転。さらに、自民党内で吹き荒れていた麻生降ろしの風が
ぴたりと止んだ。どちらも、麻生総理にとって願ってもない展開である。
それにしても、あまりにもいいタイミングだ。わたしでなくても、どこか怪しいと感じた人は少なくないだろう。
ところが、わたしがテレビで「国策捜査の可能性があるのではないか」と遠回しに述べたところ、その反響の
大きさには驚いた。わたし自身に対するいやがらせのメール、電話、ファクスは言うに及ばず、勤務先の
大学の学長に対して、「森永のようなやつはクビにしろ」という訴えまであったとか。どのような人が
書いたのかはしらないが、そうした反応も含めて怪しく思えてしまうのである。
本当に国策捜査が行われたのかどうかは分からない。仮に政府から何らかの圧力や示唆があったとしても、
おそらく永遠に明らかになることはないだろう。漆間官房副長官のオフレコ発言のように、それを疑わせる
発言はあったが、誰もそれを認めるはずがない。だから、そこを議論しても意味はない。
ただ、その後の小沢代表に対する世間の風当たりを見ていると、ちょっと違和感を覚えてしまう。公設第一
秘書の容疑の内容などはどうでもよく、とにかく逮捕されたということだけで、世の中もメディアも
「小沢悪者論」に傾いてしまってきた。
そう考えていくと、この逮捕劇は、かつて国策捜査を疑わせたある事件と二重写しになってくる。
その事件とは、刑事、民事とも昨年7月までに無罪判決が下された長銀の粉飾決算事件だ。
小沢代表は、秘書の逮捕翌日に行われた記者会見の席で、「このようなことは前例がなかった」と
検察への不満を述べている。ここに、小沢代表の心情が集約されているとわたしは思う。この時点では
あれこれと考える間もなかったために、つい本音が出たのだろう。(>>2-10につづく)
URLリンク(www.nikkeibp.co.jp)