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石炭の燃焼などによって中国で発生する水銀が、風に乗って日本にも到達している可能性があることが、
環境省による大気観測で明らかになった。
検出された量は極めて微量で国の指針値を大きく下回り、直ちに健康に悪影響を及ぼすわけではないが、
中国方面からはオゾンも日本に流入していることが指摘されており、越境大気汚染対策の強化を求める声が強まりそうだ。
環境省は二〇〇七年十月から、沖縄県国頭村の辺戸岬で大気中に含まれるガス状水銀の連続測定を始めた。
昨年十月までに得られた測定結果によると、濃度はほぼ大気一立方メートル当たり一-二ナノグラム(ナノは十億分の一)で推移。
中国や韓国で報告されている大気中の水銀濃度の半分程度だった。ただ月に数回程度、二ナノグラムを超えるピークが観測され、
〇八年二月には最大値となる四・四ナノグラムの水銀が観測された。
主なエネルギーを石炭に頼っている中国は、石炭の利用増加に伴って石炭中に含まれる水銀の排出が増加。
削減を求める声が世界的に強まっている。
東京新聞 2009年3月23日 朝刊
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