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花のめしべに取り付いた花粉の精細胞を、めしべの根元の卵細胞まで正しく誘導する
2種類のたんぱく質を、東山哲也・名古屋大教授(植物学)らが発見した。
魚を引き寄せる釣りの疑似餌になぞらえて「ルアー1」「ルアー2」と名づけ、
19日発行の英科学誌ネイチャーに報告した。
植物は受粉すると、花粉から花粉管(直径0.01ミリ)が伸び、
めしべの根元の「胚(はい)のう」にある卵細胞に到達。そこで受精して種子を作る。
しかし、花粉管がなぜ迷わずに卵細胞にたどり着けるのかは百数十年来の謎だった。
東山教授らは、胚のうの一部が露出している園芸植物「トレニア」で、
受精の様子を観察する手法を開発。卵細胞の隣にある助細胞だけで働く二つの遺伝子に着目した。
これらの遺伝子から作られるたんぱく質のある場所に花粉管が伸びることを発見し、
このたんぱく質を使って花粉管の動きを自在に制御することができた。
遺伝子が働かないようにすると、花粉管が迷子になることも確かめた。
東山教授は「今後、さまざまな植物でルアーのような誘引物質が特定されれば、
人工交配が難しかった作物間での育種にも道が開けるのでは」と話す。
ソース:毎日新聞
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画像:発見した誘引物質「ルアー」(右上の緑色の部分)を目指して伸びる花粉管(中央のN字形)の顕微鏡写真
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