10/07/31 01:54:22.41 Ot/m/UvA BE:1158168454-PLT(12001) ポイント特典
sssp://img.2ch.net/ico/u_hoshi.gif
このごろは歴史上の人物や著名人の墓参りを趣味とする人を「墓マイラー」と呼ぶ。教科書に載っているような故人と一対一で静かに「対話」できるのが魅力だそうだ
▼札幌・道立近代美術館で開催中の「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」(8月22日まで)は
地中海を中心に広大な文明圏を築いた古代ローマ人との時空を超えた対話ができる
▼ベズビオ火山の大噴火によって人々の暮らしが瞬間に凍結されたようなポンペイの遺物からは、当時の生活の息づかいが伝わってくる。
若さを保つ願いを込めた黄金の双頭ヘビの指輪。青いガラスのモザイク壁が涼しげな噴水。青銅と鉄製の庭バサミは植木の手入れに使ったのか。
この時代には美食家も登場し、ポンペイの野菜や果物のおいしさはローマでも評判だった
▼監修した国立西洋美術館(東京)の青柳正規館長によると「ローマの平和で実現した市民の生活レベルの高さは、その後、
18世紀の産業革命まで凌駕(りょうが)されることはなかった」という
▼3年前に46歳で亡くなった哲学者の池田晶子氏は死を自覚する中で残したエッセーで、
どんな墓誌も<次はおまえだ>というローマ人の墓碑銘にはかなわないと書いた。
▼生者は必ず死ぬ。文明とて永遠ではありえない。<次はおまえたちではないのか>。古代ローマへのお参りの後に、現代文明への重い問いが胸に残る。
URLリンク(www.hokkaido-np.co.jp)