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「常口」元社員、立場悪用し再三侵入 懲役６年求刑－－初公判 ／北海道
担当した女性客の部屋に忍び込み暴行したとして強姦（ごうかん）罪などに問われた不動産管理会社の
道内最大手「常口アトム」の元社員、稲見功之介被告（２６）の初公判が３０日、札幌地裁（園原敏彦裁判
長）であった。検察側は稲見被告が社員の立場を悪用し、合鍵を作ったり、仕事で知ったオートロックの暗
証番号を入力したりして女性宅に繰り返し侵入していたことを明らかにし「計画的で悪質だ」として懲役６年
を求刑した。判決は８月１９日。
稲見被告は０９年１０月と今年４月に札幌市内で起きた暴行事件で起訴された。公判では起訴内容を認
め「私のしたことは最低、最悪で、一生かけて償う」と被害者に謝罪した。
検察側の冒頭陳述などによると、１件目の事件では、稲見被告は物件案内時に覚えたオートロックの暗
証番号を入力し、深夜に目出し帽をかぶってアパート内に侵入。別の仕事で被害者の女性宅のドアが無施
錠だったことを確認しており、そのまま女性の部屋に入って乱暴した。この部屋には事件前にもたびたび侵
入し、下着などを物色していたという。
２件目の事件では、賃貸契約を終えた後、被害女性に鍵を渡す前に会社に無断で合鍵を作り、これを持っ
てアパートに侵入した。被害者参加制度を使って法廷で意見陳述した女性は「今でも不動産屋の看板を見
ただけで気持ちが悪くなる。恐怖と戦いながら生活している」と訴え、実刑判決を求めた。
被告人質問で稲見被告は「前の女性で成功したので、契約の時に合鍵を作っておこうと決めた」と説明。
園原裁判長に「仕事で情報が手に入りやすいという状況が、事件に駆り立てたのか」と問われると「人間の
生活に欠かせないことを扱う中で、自分の欲を当てはめたのかもしれない」と答えた。弁護側は被害者に
３５０万円ずつ支払う用意があることを説明し、寛大な判決を求めた。
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