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九州大学、水素で金属材料の強度が向上することを発見
水素で金属材料の強度が向上 -水素脆化の常識を覆す新発見-
【概要 】
国立大学法人 九州大学 村上敬宜 理事・副学長(独立行政法人 産業技術総合研究所 水素材料先端科学研究センター長)
の研究グループは,水素が金属材料の疲労強度特性を低下させる「水素脆化」という過去40年来,ミステリーといわれてきた現象を
解明する重要な発見をしました。
過去の報告は,「材料中に水素が侵入すると材料の強度は低下する」とされ,このことは研究者の間では常識となっており,
現象を説明するためのいくつかの理論も提案されています。村上理事・副学長の研究グループは,水素の影響を強調して
調べるため,著しく多量の水素をステンレス鋼中に侵入させて実験を行ったところ,その結果は驚くべきことに,予想とは逆に
疲労強度特性の著しい向上を示すというものでした。
この重要発見は,水素ステーションや水素燃料電池車の開発など安心・安全な水素エネルギー社会構築のために極めて
大きな貢献をするものとして期待されます。
本研究は,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「水素先端科学基礎研究事業
(平成18~24年度)」として行われたものです。
なお,本研究成果は,2010年7月7日(水)に開催される「NEDO燃料電池・水素技術開発 平成21年度成果報告シンポジウム」で
発表を行います。また本研究成果に関する原著論文は,米国の学会誌「Metallurgical and Materials Transaction A」で
近日中に公開されます。
URLリンク(release.nikkei.co.jp)