10/05/24 20:52:27.50 zGNzPJtw● BE:133278629-PLT(12501) ポイント特典
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家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)との闘いが続く宮崎県。
4月20日に始まった殺処分の対象の牛や豚は5月23日時点で14万4千頭を超えた。
獣医師や県職員、自衛隊員らが連日、作業を続けているが、処分を終えたのは
半分超の約7万5千頭にとどまる。国がワクチン接種後の全頭処分を決めたことで、
新たに14万6千頭が対象に加わる。終わりの見えない過酷な作業に、焦りと疲労が募る。
職員らに話を聞いた。
県土整備部に勤める50代の男性職員は、5月のある土曜日、午前7時に出勤した。
県庁前には、事務職員も含め、各部局からかり出された男性約100人が集まり、
4台のバスで口蹄疫が猛威をふるう同県川南町に向かった。
男性は殺処分をする獣医師の補助員をすることになり、約1200頭の豚を飼う農場に向かった。
白い防護服に身を包み、「立ち入り禁止」の農場に足を踏み入れた。ウイルスを持ち出さないように、
作業中は原則として、一度入れば、作業が終わるまで出ることができない。
男性は、他の職員と豚を追い立て、逃げないように板を持って「壁」をつくり、10頭ほどを豚舎の通路の隅に寄せた。
動き回る豚に押され、何度も倒れそうになった。「手袋に豚の鼻が当たると、柔らかくて温かかった」
獣医師が、大きな剪定(せんてい)ばさみのような器具で豚の腹を左右から挟み、電気を流した。
「豚は一瞬、金縛りのように硬直して、これまで聞いたことのない、悲鳴のような鳴き声を上げた」
排泄(はいせつ)物が防護服に飛び散り、マスクをしていても、強烈なにおいがした。息絶えるまでに、1~2分。「つらい時間だった」
獣医師は電気を通すとき、一呼吸置いて、逃げようとする豚を器具でしっかり押さえた。本来なら、動物の命を助ける仕事。
「苦しめないように、せめて短時間で済ませようとしていたんだと思う」。1頭を処分するたびに、獣医師は汗だくになっていた。
農場主の男性は、畜舎の外で座り込み、ぼうぜんとした表情で作業を見ていた。
県職員が豚の扱いにてこずっているのを見ると、豚の追い込みを手伝ってくれた。
「農場主には、豚もおとなしく従った。それが切なくて……」
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