10/05/07 18:42:18.57 hOrodoNC BE:2428663076-PLT(12122) ポイント特典
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押井守の勝敗論第2弾 名匠巨匠をぶった斬る『勝つために戦え! 監督篇』
(略)
押井氏曰く「負けなきゃ勝ち」。そんな氏が勝敗論について語ったのが『勝つために戦え! 監督篇』(徳間書店)。
「COMICリュウ」(同)誌上で連載していたコラムをまとめたものだ。
前作『勝つために戦え!』(同)で語り尽くせなかった映画監督の勝敗論に的を絞り、
古今東西の名匠巨匠を歯に衣着せぬ物言いでぶった斬る。あるいは誉めちぎる。
かねてより親交のある宮崎駿を「孤独な人だ」と評し、ジェームズ・キャメロンの『アバター』に敗北宣言、
ウォシャウスキー兄弟を「ゲイなんじゃねえか?」と疑う。
創作秘話とともに、押井守の人柄や映画についての考えが丸ごと分かる内容となっている。
巻末にはスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏との対談もあり、読み応えのある納得の一冊だ。360ページ超のボリュームもうれしい。
宮崎駿は「負け」、ジェームズ・キャメロンも「負け」、ゴダールは「勝ち」。
押井氏の勝敗論とは、一体どういうものなのだろうか。
宮崎やキャメロンのような興行収入を更新する監督は、勝ち続けなければならない宿命にある。
勝ち続けることは不可能で、いわばその構造を作り出してしまったのが不幸であり、負けである。
逆に、興行的に当たらなくても映画を撮り続けていられる監督―ゴダール、北野武、押井守などが、
不敗の構造を持つ「勝ち」側の監督なのである、と押井氏は語る。
この本で一貫して語られる勝敗論は、幸福論に他ならない。映画監督の幸せとは、映画を撮り続けていること。
赤字黒字に関わらず映画を撮れる、その特異な位置を確保できた者こそ、映画界における勝者なのだ。
負けなきゃ勝ち、負けだと思わなければ不敗。
勝ち負けは世間の評価ではなく、自分の中だけの価値基準だということをこの本は教えてくれる。
1日3時間ほど働き、好きなサッカーを観て、熱海で犬の散歩をする押井監督は、幸せそうである。(文=平野遼)
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