10/05/05 11:28:56.23 OkdRfgrZ
「ふふ。今だから白状しますけど、雪、病気の時は、よくタヌキ寝入りをしていたんです」
839:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.21 OkdRfgrZ
そして、腰に手を当て、恨みがましいような眼でこちらを見上げたかと思うと、
840:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.25 OkdRfgrZ
「ねえ、どうして、こんなところに住んでいるの?」
841:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.26 OkdRfgrZ
「なんでもない」
842:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.28 OkdRfgrZ
「はいはいマリアちゃん、ケダモノからは離れましょうねー」
843:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.29 OkdRfgrZ
「本当に、ごめんね…」
844:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.31 OkdRfgrZ
「そう思ったら最後にひと仕事だ。全員、座れ!」
845:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.33 OkdRfgrZ
一年以上の間、彼女が、僕を待っていた場所。
846:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.34 OkdRfgrZ
ぽたりと、床に血が落ちるのを見て、雪さんはようやく我に返ったようだ。
847:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.37 OkdRfgrZ
そして、別れた場所。
848:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.38 OkdRfgrZ
“ドクンッドクンッドクンッ…”
849:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.40 OkdRfgrZ
今まで、見たことがない態度だ…どうしたんだろう?
850:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.41 OkdRfgrZ
「僕が行って、なにかできることある?」
851:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.44 OkdRfgrZ
「言い訳はマリアちゃんのお背中でも流しながら聞かせていただきましょう」
852:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.46 OkdRfgrZ
「言わないでください…もちろん、透矢さんのお望みでしたら、また、してさしあげますけど…」
853:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.47 OkdRfgrZ
「ふふ、どうされましたの」
854:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.48 OkdRfgrZ
「ご奉仕、ですよ」
855:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.51 OkdRfgrZ
僕は、見よう見マネで一礼して、場内に足をふみ入れた。
856:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.53 OkdRfgrZ
少し興奮気味だったのかもしれない。
857:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.54 OkdRfgrZ
なんてことを考えたりもした。
858:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:28:56.56 OkdRfgrZ
「23456789012345678」
859: デバスズメダイ(大阪府)
10/05/05 11:28:57.22 StxawkP5
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!
860: ミズウオ(兵庫県)
10/05/05 11:28:57.70 SGxAMusW
ニコ厨消えろ
861: シルベーヘイク(神奈川県)
10/05/05 11:28:58.09 OjtW7OL0
さすが水樹さんやで
862: アカタチ(愛知県)
10/05/05 11:28:59.96 PrQrq+DW
うんこ
863: マダラタルミ(中部地方)
10/05/05 11:29:00.75 +uEG9F8B
ヽ、,jトttツf( ノ
\、,,)r゙''"''ー弋辷_,,..ィ
=、..,,,ニ;ヲ_ ヾ彡r''"^ -=
``ミミ, i'⌒! ミミ=- イ  ̄ ン -ー' ̄ 二 、
= -三t f゙'ー'l ,三``'' / メ 、 / ` 、
,シ彡、 lト l! ,:ミ'' イ ! / / i / / ! !
/ ^'''7 ├''ヾ! ノ 〈 / / /! ハ ノ ハ !
/ l ト、 \ l/ 二 ゝ ノ/ ン二 z ! !
〃ミ ,r''f! l! ヽ. ーr'´ニェ 、 , _ェォ=、 く /
ノ , ,イ,: l! , ,j! ., ト、 i \ / ̄} イ  ̄ }ー ! /
/ ィ,/ :' ':. l ヽ. 、 !  ̄ ノ ゝ - イ Yヽ
/ :: ,ll ゙': ゙i,ヽ ! い メ ′ /
/ /ll '゙ ! \ ! ィ=== 、 Λイ
/' ヽ. リ ! ムエエエ九ヽ /
/ ヽ / l ` ー一 ` //
/ r'゙i! .,_, / /i > _ _ イ Λ
/. l! イ -‐./:.:.:.:l!  ̄ /:.:.i、
/ ,:ィ! ト、:.:/:.:.:.:.:.l /:.:.:.:.l`:.:ー 、
,r''"´~ヾ=――=''′`ゝ:.:.:.::.:ゝ /:.:.:.:.:.:ゝ:.:.:.:.:.`.:.-
864: フウライチョウチョウウオ(茨城県)
10/05/05 11:29:02.73 SIVdploD
キタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─!!
865: アオメエソ(dion軍)
10/05/05 11:29:03.60 7a/STtpp
チュルパヤのほうが良かった
866: アオメエソ(関西地方)
10/05/05 11:29:04.87 tDj9K9A7
演歌すなあ
867: アオザメ
10/05/05 11:29:06.55 9pXT8kFF
なのは劇場版にしておけよな
868: メルルーサ(福井県)
10/05/05 11:29:07.54 MYYF+Ml9
神曲きyたあああああああああああああああああああああああああ
869: オニオコゼ(岐阜県)
10/05/05 11:29:07.97 0Grya1KD
なんだよこのスレ
870: アメマス(石川県)
10/05/05 11:29:08.43 eUVwd7we
だっせぇなバカ運営www
871: レッドテールキャットフィッシュ(愛知県)
10/05/05 11:29:08.93 SviolY5h
うひょおおお
872: コショウダイ(東京都)
10/05/05 11:29:09.01 XjIu9tZH
ホワルバはEDの方がいいよ!!!ED流して!!!
873: タイガーショベルノーズキャットフィッシュ(宮城県)
10/05/05 11:29:11.08 eMlyFxj3
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
874: アイスポットシクリッド(群馬県)
10/05/05 11:29:11.45 /X0/9RcG
ついに勢い10万超え来たか
875: ホタルジャコ(埼玉県)
10/05/05 11:29:19.38 f6ef9OUY
もう、FOXクビでよくね?w
876: イシガキダイ(大阪府)
10/05/05 11:29:22.17 9885b++u
まんまん!ちんちん!
877: アオメエソ(コネチカット州)
10/05/05 11:29:24.47 MTOkQec+
ファッキンビーバー
878:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.70 E4WJrJFH
涙石はある、弓も、梓弓とは言わないけれど…。
879:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.71 E4WJrJFH
二人もわかっているのか、僕の言うことを素直に聞いてくれた。
880:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.72 E4WJrJFH
「そんなこと言ってたら、終わんなくなっちゃうよ?」
881:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.76 E4WJrJFH
「良かった。病院のほうが寝心地が良かったなんて言われたらどうしようって思っていたんですよ」
882:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.78 E4WJrJFH
「うるさい! わかった?」
883:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.77 E4WJrJFH
「こんなにたくさん降っているのに…ひとつひとつ、命を持っているんですね。なんだか不思議です」
884:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.80 E4WJrJFH
「…ハイキングハイキングって言ってたくせに」
885:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.80 E4WJrJFH
僕だって、記憶喪失や夢っていう恐怖から逃れるために、いろいろな人に甘えている。
886:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.04 E4WJrJFH
見とれていると、彼女はひとり遊びをする子犬みたいに、むやみやたらと水しぶきを上げ始めた。
887:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.81 E4WJrJFH
「んんんー……んぅっ!」
888:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.84 E4WJrJFH
「…ちょっと、良かった」
889:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.83 E4WJrJFH
「ぼ、僕?」
890:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.09 E4WJrJFH
ずいぶん、不安になっているようだ。
891:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.86 E4WJrJFH
「私も似たようなもんだから。和泉には、あとで謝っておくよ。気にしないで」
892:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.89 E4WJrJFH
「あー、ミカン飴ね」
893:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.12 E4WJrJFH
「だ、だから、花梨ちゃんの舞はすごいと思うけど、やっぱり心配だから」
894:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.13 E4WJrJFH
そして、その生まれが雪さんを苦しめることになって、僕は彼女を守らなくちゃいけない。
895:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.12 E4WJrJFH
「和泉ちゃん、大丈夫なのかな?」
896:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.12 E4WJrJFH
「僕が、きれいにするよ」
897:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.12 E4WJrJFH
「撫でて、いただけませんか?」
898:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.16 E4WJrJFH
雪さんは、すねた目を僕に向けた。
899:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.14 E4WJrJFH
「そうでもないよ」
900:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.20 E4WJrJFH
「ちがうよ…っく…透矢だから…っ…がまんできるって…だからぁ…」
901:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.18 E4WJrJFH
視線のようなものを感じて、ふと裏山のほうに目をやると、さっきのキツネらしき影が見えた。
902:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.15 E4WJrJFH
「駄目だよ、危ないから」
903:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.18 E4WJrJFH
やっぱり、マリアちゃんの言っていた事は本当なんだろうか?
904:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.18 E4WJrJFH
「だったら、せめて私の家に来れば? いちおうデートだし」
905:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.23 E4WJrJFH
「一日は二十四時間、一時間は六十分…」
906:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.23 E4WJrJFH
「花梨だってそうだよ。まさか花梨がそんな…」
907:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.23 E4WJrJFH
「いけません。これも、雪の仕事のうちなんですから」
908:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.25 E4WJrJFH
じゃあ、僕はどうして大丈夫だったんだろう?
909:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.25 E4WJrJFH
「しかし、なんできれいどころに限って、おまえなんだろう…」
910:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.26 E4WJrJFH
大丈夫、だよ―
911:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.28 E4WJrJFH
「ごめん。でも…」
912:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.28 E4WJrJFH
「はい、宮代ですけど」
913:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.30 E4WJrJFH
「汚いって何が?」
914:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.74 E4WJrJFH
「透矢……んだ…」
915:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.73 E4WJrJFH
知らないんだから!―と、そっぽを向かれてしまった。
916:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.29 E4WJrJFH
彼女が、僕を待つ場所―
917:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.75 E4WJrJFH
「あ…ううん」
918:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.32 E4WJrJFH
そうして不意に抱き合ってしまう、こんな日常。
919:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.31 E4WJrJFH
一緒になってマリアちゃんを探したあの日から、アリスの僕に対する態度は明らかに変化していた。
920:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.82 E4WJrJFH
「あらあら、眠そうなお顔をされていますね」
921:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.79 E4WJrJFH
「…ここに、いさせてよ。マリアもいなくなっちゃったし…私には、ここしかないんだから」
922:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.87 E4WJrJFH
「…うれしいです」
923:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:24.88 E4WJrJFH
「ぜ、ぜったい嘘。そんなに怖いの?」
924:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.36 E4WJrJFH
「あのぅ、花梨さんって、透矢さんとおつき合いしているんですか?」
925:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.44 E4WJrJFH
名前は、一つしかなかった。
926:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.52 E4WJrJFH
「ぅ、ぁ…いや、なんでもないですよ…」
927:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.52 E4WJrJFH
わかっている…
928:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.52 E4WJrJFH
「そうでもないよ」
929:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.52 E4WJrJFH
香坂姉妹の勘は、良く当たる。
930:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.52 E4WJrJFH
「ごめん。急に座り込んだりするから、気になって」
931:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.53 E4WJrJFH
「…自分でも忘れてたの?」
932:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.53 E4WJrJFH
僕は腰を動かし始めた。
933:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.55 E4WJrJFH
「冗談よ。これ以上の収穫はなさそうだし行きましょう。マリアが待ってる」
934:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.55 E4WJrJFH
その夜、彼女に連れ出され海岸を歩いていると、
935:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.53 E4WJrJFH
「そうでもないよ」
936:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.58 E4WJrJFH
「透矢さっ…だ、めぇ…」
937:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.58 E4WJrJFH
「っとと…追いついたら、キミの馬鹿につき合ってあげるー! 何がいい?」
938:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.65 E4WJrJFH
「道祖神、だよね。外から疫病とかが入るのを防いでくれるっていう」
939:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.65 E4WJrJFH
当然、和泉ちゃんじゃなかった。
940:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.65 E4WJrJFH
「透矢、私、あっちで待ってるね」
941:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.65 E4WJrJFH
そして、それをぎゅっと束ねるようにつかむと、うっとりした表情で、
942:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.65 E4WJrJFH
「ちょっと、知り合いなの?」
943:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.65 E4WJrJFH
このまま彼女のこと、好きになれるのかな?
944:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.67 E4WJrJFH
あの生々しさ―僕は、誰かとああいう行為に及んだことがあるとしか思えない。
945:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.68 E4WJrJFH
「んー」
946:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.82 E4WJrJFH
大人げないけど、何でも言うことを聞くなんて、たまったもんじゃない。
947:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.84 E4WJrJFH
もし、僕が彼女のことが好きで、夢に出てきてるのも彼女なら、夢の半分には、納得がいく。
948:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.88 E4WJrJFH
電話を終えると、ちょうど良く雪さんが戻ってきた。
949:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.89 E4WJrJFH
たまらず、僕は舞台へかけ上がった。
950:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.90 E4WJrJFH
和泉ちゃんが、ぽんと手を打った。
951:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.91 E4WJrJFH
口を開いたまま、アリスが固まった。
952:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.92 E4WJrJFH
「雪さんが一緒で良かったよ」
953:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.93 E4WJrJFH
「花梨が、僕と?」
954:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.93 E4WJrJFH
「最近さ、誰かに見られてるような気がするって言ったでしょう? あれ、あの人の視線だったみたい」
955:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.97 E4WJrJFH
僕は彼女に歩み寄ると、肩に手をかけもういちど口づけをした。
956:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.97 E4WJrJFH
「うん…ううん、駄目。どっちも僕のだ」
957:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.97 E4WJrJFH
「もう…キミ、ちょっと意地悪だよ」
958:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.95 E4WJrJFH
そして、意識は闇の中へ…。
959:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.98 E4WJrJFH
ただ、捨て置かれ、見放された場所。
960:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.00 E4WJrJFH
どうしてなんだろう?
961:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.00 E4WJrJFH
僕は後ろから彼女を抱きしめるようにしスパッツの中に手を差し込んだ。
962:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.02 E4WJrJFH
「あーん」
963:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.02 E4WJrJFH
「くぉの…」
964:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.04 E4WJrJFH
波が引くように音が消え、意識が体から切り離される。
965:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.04 E4WJrJFH
あのとき、雪さんがほっぺたにキスをしてくれたんだ。
966:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.09 E4WJrJFH
「ぁ…うん」
967:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.10 E4WJrJFH
「! や、やめなよ、花梨」
968:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.11 E4WJrJFH
「私も見てたけど、誰も…」
969:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.10 E4WJrJFH
「借りたものを返しただけ。さっ、用が済んだら帰って帰って」
970:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.10 E4WJrJFH
「あのね」
971:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.13 E4WJrJFH
「あのとき…急いで抱いてもらおうとしたのは、自分の気持ちを証明したかったからなのかもしれない」
972:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.15 E4WJrJFH
自分が落ち込んでいる時に、人の元気な声を聞いた場合、二種類の反応があるように思う。
973:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.15 E4WJrJFH
「でも、雪さん、自分でしてるとき、すごく気持ち良さそうだった」
974:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.15 E4WJrJFH
「お願いします。思い出に…したいんですの」
975:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:25.14 E4WJrJFH
「ふーん。ねえねえ、ホントにぜんぜん覚えてないものなの?」
976:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.23 E4WJrJFH
「精神的なものみたいだ。怖いんだよ、どうしても」
977:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.25 E4WJrJFH
「和泉ちゃん、走ると転…」
978:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.25 E4WJrJFH
「キミは!」
979:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.27 E4WJrJFH
この状況で、彼女が僕に嘘をつく意味がない。
980:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.28 E4WJrJFH
そろそろ後かたづけを、という雪さんを残して、僕は部屋へ引っ込むことにした。
981:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.29 E4WJrJFH
「…あったかいし、嫌いじゃない」
982:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.31 E4WJrJFH
「こんにちは…」
983:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.31 E4WJrJFH
「人に慣らされたキツネは、逆に人の世界で生きていく力を失ってしまう―そういうことだね」
984:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.33 E4WJrJFH
「お姫様が目を覚ますために、王子様がすることって、ひとつしかないよ」
985:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.34 E4WJrJFH
舞台の裏手に走る。
986:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.35 E4WJrJFH
花梨が和泉ちゃんの胸の辺りを触っているのが見えた。
987: スリースポットグラミー
10/05/05 11:29:26.12 VVvkiYcx
なんで紅白あんなに下手糞だったの?ねえ奈々オタ教えてよ
988:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.36 E4WJrJFH
明日っていうのは、そんな日常。
989:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.37 E4WJrJFH
「なんだって?」
990:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.39 E4WJrJFH
もしかしたら、ここが病院だっていう話は、嘘なのかもしれない。
991:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.40 E4WJrJFH
『おねがい…マリアを助けて…』
992:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.41 E4WJrJFH
ゆらゆらと像を失い、不確かになっていく、確かだったモノたち。
993:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.43 E4WJrJFH
でも、苦しんでいるのは、僕だけじゃなかった。
994:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.43 E4WJrJFH
「…気持ちいい?」
995:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.45 E4WJrJFH
あの場では、夢が覚める覚めないより、女の子を射抜くという結末に対する恐怖が先に立っていた。
996:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.45 E4WJrJFH
漠然とした不安みたいなものを感じながら、僕はひとり、家路についた。
997:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.46 E4WJrJFH
「誰が、あんたみたいなひねくれ者をつかまえて、可愛いなんて言いますか」
998:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.49 E4WJrJFH
「これよ、これ」
999:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.48 E4WJrJFH
安堵の声を上げたのは、さっきの子とは対照的、いかにもおとなしげな女の子だった。
1000:九鳳院 紫 ◆aLICeotiAI
10/05/05 11:29:26.49 E4WJrJFH
くすくす、意地悪げな笑い。
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もう書けないので、新しい職を探して下さい。。。
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