10/03/23 16:35:59.23 LZDuqs9W BE:1153190988-PLT(12000) ポイント特典
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「ブレーキペダルとアクセルペダルが左右に並んでいる。私に言わせれば、あんなばかな構造はあり得ない」。
本日発売の『不具合連鎖』で、「安全学」の伝道師である明治大学理工学部情報学科教授の向殿政男氏が語った言葉である。
正論である。間違えないようにするなら、場所をもっと離すか、「踏む」だけでなく
「引っ張る」「ひねる」のように操作の仕方を変えるというのが人間工学の基本である。
しかし、今回トヨタ自動車が巻きこまれた一連の不具合、それに対する世間の反応を見ていると、基本に従った
正しい設計などできない気がしてくる。長い間慣れ親しんだ感覚からかけ離れたものを作れば、たちまちバッシングに会う。
6年前にも違和感バッシングについて書いたことがある。違和感にあまり神経質になると、クルマの進歩を止めてしまうと考えたからだ。
このときは左右の駆動力を配分する装置と、CVT(無段変速機)を例に出した。向殿氏はアクセルとブレーキの配列について指摘した。
配列については同感だが、アクセルとブレーキについては、役割分担も気になっている。
おかしいと思ったことはないだろうか。アクセルペダルは加速するためのペダルである。しかし、私たちは
日常的にアクセルペダルを使って減速している。マン・マシン・インタフェースとしては異常である。ペダルを戻していくと、
加速から減速に移る。そう。エンジンブレーキである。
これは機械の都合であって人間の都合ではない。エンジンには摩擦損失もあれば吸排気抵抗もある。放っておけば減速する。
その性質を利用して減速する。「エンジンブレーキ」などと名前まで付けるものだから、市民権を得てしまった。
据え切りはするな、中ぶかしはぴったり決めろ、できるだけエンジンブレーキを使ってフットブレーキは使うな。
「運転が上手い」と自認している人は、傲慢な機械様に媚びて技を磨いているのである。
間違っている。そんなことで上手くなる必要はない。御主人様はこっちなのである。
人間を優先すれば、「加速したければアクセルペダル、減速したければブレーキペダル」とはっきりしていたほうが使いやすいに決まっている。
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