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内地へ来て以来かれこれ十年近くなるけれど、殆(ほと)んど毎年二三度は帰っている。
高校から大学へと続く学生生活の時分は、休暇の始まる最初の日の中に大抵蒼惶(そうこう)として帰って行った。
われながらおかしいと思う程、試験を終えると飛んで宿に帰り、急いで荷物を整えてはあたふたと駅へ向った。
それも間に合う一番早い時間の汽車で帰ろうとするのである。
金史良著「故郷を想う」より
この人、はじめは抗日だったけど、結局併合時代を謳歌して、戦後北朝鮮にシンパを感じて、
朝鮮戦争で行方不明になってしまったんだが、これが当時の国民感情、所謂事大主義。