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サクラが伝えるもの：第８２回センバツ高校野球 広陵１００年／上 ／広島
◇野球ができる喜び
第８２回選抜高校野球大会の開幕が２１日に迫る。３年ぶりに出場する広陵野球部は１９１１（明
治４４）年創部で、今年が創部１００年目に当たる。その歴史の中で、戦争に阻まれ思う存分野球が
出来なかった時期や低迷した時もあった。一方で、全国の頂点に立ったことも。センバツ３回優勝と
春に強い「サクラの広陵」のそんな歴史を３人の野球部ＯＢに語ってもらう。【井上梢】
「とにかく野球がしたい」一心で、４１（昭和１６）年に旧制広陵中（当時は広島市宇品町）に入学し
た。広陵野球部元主将の今村哲哉さん（８１）＝南区西旭町＝はセピア色になった野球部の集合写
真に触れた。野球は、今村さんが生後３カ月の時に事故死した父が大好きだった。
祖父母に育てられて野球に励んだ。ボールは綿に糸を添えて布を巻いた。「ガタガタのボールを一
生懸命縫った」と懐かしむ。だが、戦局悪化のために４３年１月、野球部は解散せざるをえなかっ
た。「今は戦時中」とあきらめるしかなかった。
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