10/02/19 15:02:10.90 ujOzCMN1 BE:593382454-PLT(12012) ポイント特典
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飲み会なき時代を生きる―『不安な経済/漂流する個人』
結束度は強いが個人は抑圧されがちなのが20世紀社会(図表左上)。軍隊・工場に象徴され、官僚をトップにおいた合理的なピラミッド社会であった。
その完成形は日本だろう。終身雇用・年功序列によって社内の結束を高め、高い工場生産性を保ちながら世界経済を席巻した。
20世紀も後半に進むと、図表の右側、すなわち自由の方向へと進む。市場と個人に重きがおかれ、情報技術の進展とともに既存コミュニティは崩壊していった。
流動性が高まるゆえに、個人の帰属心(ロイヤリティ)は低下。飲み会のようなスタッフ同士のきずなを作るインフォーマルな場も減少。
組織もフラット化して中間層がいなくなったから、組織への知識を持つ人物も減ってしまう。コミュニティから放り出された個人は、不安を抱えたまま生きざるを得なくなったと著者は言う。
個人を支える時代
こうした社会の変化への対策は3つあるという。
* 物語:英国や米国では労働組合が中心となり、職業紹介・年金/保険、そして議論の場などコミュニティ機能を提供。企業を離れても労働者が物語を維持できる役割を担った。
* 有用性:金銭とは別の形で、公益に関わる仕事や家庭を支える仕事に対して高い地位(ステータス)を与えるべき。
* 職人技:組織への帰属でも単なる私欲でもない、何ごとかを「正しく」行うことへのコミットメント=職人技を重んじるべき。
21世紀は個人が主役になるのは間違いない。国でも企業でも家族でもなく、個人の尊厳を高め、個人の物語を支える新しい仕組みが必要になるのだろう。
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