10/01/24 08:25:09.19 52upQNdY BE:236041027-PLT(12000) ポイント特典
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新しさより深さだと知った ベーシスト 鈴木良雄
渡辺貞夫グループの一員として、1970年に初めてニューヨークを訪れました。
ライブハウスで聴いたベースの音がすごく大きくて、見るとゴムバンドでピックアップという装置をつけていた。
今でこそよく使われる電子部品ですが、驚きました。
そのニューヨークに73年から85年までいました。ブルックリンで演奏していたら
スタン・ゲッツのバンドのピアニストが来てて、ゲッツのグループに。また演奏してたらアート・ブレイキーが来てて、
数日で彼のマネジャーから電話があり、2年ほどジャズ・メッセンジャーズで武者修行しました。
ブレイキーはリーダーとしての求心力が強くて、親分というか、ジャズ学校の校長という感じ。
僕の演奏に対して具体的な注文はつけなかった。一言だけ言われたのは「リラックスしろ」。いまだに一番難しいことですけどね。
彼は共演者の長所をポジティブに引き出す。僕のことも「お前は世界一だ」と。大きな意味での愛を与えてくれる。
音楽の根本を僕もそこで学んだし、自信を持つことができた。
実は、米国に渡るまではブレイキーのスタイルはもう古いと考えていた。
マイルス・デイビスたちがどんどん新しいスタイルで作品を出していたし、僕も新しいものばかり追いかけていた。
でも実際にニューヨークでブレイキーを聴いたら、とにかく音がいい。音色がきれいでドラムが鳴ってる。
聴衆として感激してしまった。音楽とは、スタイルの新旧ではなく、深さなんだと知った。追いかけることをやめ、
日本人である自分にしかできない音楽、自分の奥からわき上がってくる音楽をやりたいと思いました。
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